ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「んーあー……なんか舌が痛い」

累「舌癌?」

悠「とんでもねぇことをいうんじやねぇ!」

亘理『死ぬの!?』

神姫「飛躍しすぎ」

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。現在の誕生石は、1912年にアメリカの米国宝石商組合が定めたものが基準になっているのだ。誕生石は必ずしもひと月に一種類ずつというわけではないのだ。」

摩耶「舌癌は舌を除切したら命にはかかわらなくなるよ。」

亘理『舌をとったらどうなるの?』

悠「そりゃ喋れなくなる」

神姫「舌を除切ってことは喉を切り開く必要もあるわね。」

亘理『いやーー、こわいーー!』

千世子「また、宝石の種類や月との対応は、世界各国で少しずつ違っているのだ。日本のリストは1958年に全国宝石卸商協同組合が制定されたのだ。アメリカでも1952年に宝石小売商組合など複数の団体によって改訂されているのだ。」

悠「なんで、お前が怖がってるんだ」

亘理『だって聞いてるだけで痛いんだもん!』

摩耶「癌の方がもっと痛いと思うけどね。」

亘理『痛いのとかやだー!』

悠「お前、人のことをサイコキネシスで痛めつけるくせにどの口が言ってんだ」

千世子「宝石の選定や月と宝石の結びつきには特に根拠があるわけではなく、はっきりいってしまえば商業的な理由で決定されているのだ。しかし、宝石に興味を持つ足掛かりとして、誕生石の存在はとても有効なのだ。まずは自分の誕生石が何かを確かめて、その宝石の美しさや、石に秘められた意味を調べてみましょうなのだ。それは、きっとあなたの人生を豊かにしてくれるはずなのだ。」

摩耶「でも、お化けには病気も何にもないし死なないっていうからね」

亘理『私はお化けじゃなくて妖怪なんだけどね。』

悠「ぎりぎりお化けじゃね?」

神姫「ギリギリお化けって何よ…」

悠「幽霊目妖怪属的なかんじかな?」

千世子「最後に、日本の誕生石を教えるのだ。1月はガーネット、2月はアメジスト、3月はアクアマリンとサンゴ、4月はダイヤモンド、5月はエメラルドと翡翠、6月は真珠、7月はルビー、8月はサードオニクス、9月はサファイア、10月はオパールとトルマリン、11月はトパーズとシトリン、12月はターコイズとラピスラズリなのだ。以上、誕生石のじゅぎょーだったのだ。」
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