ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あっ、しまった。カラフルのポットを返すの忘れてた」

摩耶「いいんじゃない?」

亘理『そこらへんおいといたらメフィ先生が回収するんじゃ…』

悠「ダメだ。ここら適当に放置しといたら悪魔ちゃん達のイタズラ道具になったり、無くなったってメフィストのおっさんに絡まれたりするのだけは避けないとならない!!」

神姫「ちゃんと危険意識はあるのね。」

【誕生石】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。今日からは新しい科目でジュエリー(宝石)のじゅぎょーをしますなのだ。」

亘理『宝石!!』

悠「なんか反応したぞ」

亘理『宝石ってきれいじゃん!』

悠「いや、知ってるけど」

亘理『ダイヤの指輪とか、ダイヤモンドとか、あと……ダ、ダイヤ』

神姫「それ以外の宝石が出てきてないわね。」

千世子「今日はまず誕生石のお話からなのだ。誕生石とは、一年の12の月にそれぞれ宝石をあてはめたもので、自分の生まれた月の宝石を身につけることで、様々な加護が得られるとされているのだ。」

摩耶「アメジストとかルビーとかわりとポピュラーなのもあるのに」

亘理『いざとなると出てこない』

悠「ゲームしてるやつは宝石類は強いはずなんだけどな」

亘理『私が好きなのは格ゲーだ』

悠「それでもエメラルドとかパールぐらいは出てくるだろ」

千世子「現在ではかなりポピュラーな習慣になっている誕生石ですが、その由来には様々な説があり、定かではないのだ。諸説の中でも有力なのは、ともに聖書を起源とする二説なのだ。ひとつは旧約聖書の「出エジプト記」で、モーゼの兄大祭司アロンが身につける胸当てに飾られた12個の宝石が源流だとする説。もうひとつは新約聖書の「ヨハネ黙示録」で最後の審判に現れる神の都の、城壁に土台石に飾られていた12の宝石が源流だとする説なのだ。」

累「一度でいいから大きいダイヤモンドで人を殴ってみたい」

亘理『えっ?』

悠「ダイヤモンド殺人事件」

神姫「まぁ、ダイヤで殺すなら鉄の塊で殴ったほうが早いだろうけどね。」

摩耶「ロマン武器的な?」

千世子「誕生石の習慣は、17世紀ごろ、ポーランドに移住してきたユダヤ人たちによって広められたといわれてるのだ。当初は、月ごとに身につける宝石を変え、それによって神秘的な力を得る、というものだったのだ。ところが、これだと多くの宝石を持っている富裕層しか恩恵が得られなかったため、次第に当人の誕生日に合わせた宝石を持つことで効果を得る、という形に変化していったのだ。今回はここまでで続きは次回なのだ。」
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