ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ごごご」

亘理『ゴゴゴ・ゴーレム?』

悠「お前、デュエリストだな?おい、デュエルしろよ」

摩耶「僕のターン、ドロー。キングのペアを墓地に捨てる」

亘理『アレ?ババ抜き?!』

【テケテケ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。夕暮れの校舎を学生が見上げると、3階の教室の窓から中庭を見下ろしている一人の女子生徒がいたのだ。美人だと、誰もが思う顔立ちの少女だが、同にも見覚えがないのだ。」

悠「デュエルだろ?」

亘理『いや、デュエルってこういうのだっけ?』

悠「カードゲームでの対決は全部デュエルだよ。」

サタン「カードに封印した悪魔を召喚して戦わせないのだ?」

悠「ガチのはご遠慮ください」

千世子「転校生なんだろうかと考えたとき、その少女が自分に微笑んでいるように見えたのだ。思わず微笑み返したが、それがそもそも間違いだったと思い知らされるまで、さほど時間はかからなかったのだ。」

神姫「っていうか、結局最初の「ごごご」ってなによ」

悠「ゴールデンウィークだなっていおうとして詰まっちゃった」

神姫「……」
ヒュン、ズドッ!
悠「ぎゃぁっ!カードが刺さった!!」

千世子「なぜなら、その少女が次の瞬間、頭は下に向けたままで、両手を前後にものすごい勢いで動かしながら、とんでもないスピードで3階から壁を伝って降りてきたのだ。まるで重力を無視したかのように、滑るように降りてくるのだ。手の先で壁に張り付いているのか、それとも爪を突き立てているのか、腕が前後するたびに嫌な音が聞こえるのだ。」

亘理『トランプって刺さるんだ…』

摩耶「まぁ、キュウリくらいなら切れるしね。」

悠「心配してくれてもいいのよ?」

サタン「我もやりたいのだ!」

悠「やめろ!テメーがカード投げたらどうなるかわかんねぇだろ!!」

千世子「地面に降り立った時、その少女の全貌を見て愕然としたのだ。少女には下半身がなかったりのだ。美人に見えた面立ちはすっかり変わっており、目を向いてこちらを凝視したまま、壁を這いずっていた形のままで、こちらへと走ってくるのだ。恐怖で足が動かない。少女は、腕だけで這っているとは思えない速度で迫ってくる……。今回はここまでで続きは次回なのだ。」
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