ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「スライム」

亘理『スライム?』

悠「そうスライムだ」

摩耶「スライムがどしたの?」

悠「おれの机の中にどっぷりスライムが詰まってる」
ドロロッ

神姫「面白いわね」

悠「いや、個人的には面白くないんだけど」
ねちゃねちゃ、びーんびょーん

千世子「そのわりにはめっちゃ遊んでるのだ」

悠「こういうのって久々に触るとなんか遊びたくなる。ならない?」
ぶるんぶるん

摩耶「なんとなく分かる」

悠「じゃあ、はい」
ドロロッ

摩耶「わーい」
ブンッ!
びちゃっ!
悠「……なぁんで今受け取っておれに投げ返したんですかねぇ」

摩耶「そういうノリかなって」

亘理『あはっ、あはははっ!』

千世子「亘理ちゃんは大爆笑なのだ。」

摩耶「やったね。」

悠「んー、微妙に納得できない。」
ぽよんぽよん

神姫「とりあえず、遊んだらちゃんと片付けなさいよ。」

悠「神姫も如何?」
ドロロッ

神姫「ぶつけたらいいの?」

悠「なに、みんなのスライムの遊び方ってひとにぶつけて楽しむの?」

摩耶「そんなわけないじゃん。」

神姫「違うわよ」

悠「言い方を変えよう、おれにぶつけて楽しいか?」

摩耶「普通」

神姫「別に」

悠「せめて楽しんでてほしかった…」

千世子「あんちんの言ってることが何かおかしいのだ。」

雨「っていうか、まずスライム詰められてることに対して何か他に言うこととかあるんじゃないの?」

悠「どうせ悪魔ちゃんズ達のイタズラだから、もうそれはいいわ。ほら、お前も遊ぶといい。」
ドロロッ

雨「やめい!着物が汚れる!」

悠「子供は服なんて汚してナンボだろ」

雨「誰が子供だ!」

摩耶「子供にこういうオモチャ与えると大抵えらいことになるよね。」

神姫「カーペットに放置して広がってしみこんだり、ほこりまみれにしたりとかね。」

悠「あー、あと、排水口に詰まらせたりとかな」

千世子「どうやったら排水口につまらせるのだ。」

悠「間違えてシンクに流して」

摩耶「シンクに流すことがまずないはずなんだけどね。」

悠「水に溶かして体積増えないかとか試さない?」

亘理『そういうオモチャじゃないよね?!』

悠「あと、燃やしてみたり」

千世子「あんちんはやったらダメなことをやり過ぎなのだ。」