ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「管理人ちゃん、玉ねぎとジャガイモいらない?」

冥「くださるのならいただきますナ」

亘理『カレーつくるの?』

悠「ニンジンが足りない、じゃなくてうちで採れた新じゃがと新玉ねぎだ」

摩耶「ニンジンはないの?」

悠「いや、つくってるけど、まだ収穫時ではない。」

亘理『作ってるんだ…』

千世子「あんちんの家は農家さんだったのだ?」

悠「いいや。ただの家庭菜園だ」

摩耶「家庭(以外も侵食していっている)菜園」

悠「そろそろ邪魔だから何かうちの畑を妨害している壁を取っ払おうかと思ってる。」

亘理『畑を妨害してる壁って何?』

神姫「隣家の壁でしょ」

亘理『それは遮ってるっていうの?!っていうか、取っ払っちゃダメでしょ!』

悠「おれの畑の邪魔をしてるんだから……この小鳥遊悠、容赦はせん!」

摩耶「そのセリフをはくと死にそう」

悠「あーんスト様、死んだー!」

神姫「死にたいの?」

悠「いいえ」

冥「なんにしても玉ねぎとジャガイモはいただきますナ」

亘理『夕飯はカレー?』

冥「肉じゃがですナ」

神姫「確かにジャガイモと玉ねぎを使うわね」

摩耶「ニンジンと牛肉も使うね。」

亘理『あれ?!カレーとほぼ一緒?!』

悠「使ってるもんはまぁ一緒だな。」

神姫「肉じゃがが余ったらカレーにしてもいいけどね。逆はちょっと難しいけど」

亘理『カレー味の肉じゃが』

摩耶「カレーだね。」

悠「頑張っても和風カレーだな。」

千世子「亘理ちゃんはカレーが食べたいのだ?」

亘理『え……いや、改めて聞かれたら別に普通かな、肉じゃがも好きだし』

悠「おれはカレー連呼したせいでカレーが食いたくなってきてる」

亘理『なら私も!』

神姫「それはおかしい」

摩耶「カレー飯でも買ってこようか?」

悠「あれはあれでうまいけどな。」

神姫「でも、これからは煮物系は気を付けないとすぐに腐るわよね。」

悠「半日したらカビてるって相当えぐいよな。作る時間と同等だぞ」

千世子「なんでカレーとかってカビやすいのだ?」

悠「色々と原因はあるが足が速いのはジャガイモだろうな。」

亘理『大根じゃないの?』

悠「カレーに大根入れる派か?」

亘理『そうじゃなくて』

恋大根『……』
ドタタタッ!

亘理『ほら、大根は早い』

悠「あれは特別だ」
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