ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「んー……肩がびみょうに重いな。おい、亘理」

亘理『なぁに?』

悠「ちょっと、両腕引っ張ってくれ。ぐーーっと。」

亘理『いいよ。よいしょっ!』
ググッー!
悠「お、おー……あー、効くわぁ。」

【カシマさん】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。カシマさんに関する話には、これといった定型がないのだ。しかしいくつかあるバリエーションから、スフィンクスのような「質問する妖怪」であることは確かなようなのだ。」

悠「うーはぁー…」

摩耶「変な声でてるよ」

悠「筋が伸びで気持ちいい…」

亘理『ぬぬっ、地味に重い…』

悠「もうちょっと力入れてぇ…」

千世子「夜中、トイレに行くと、足のない少女がいるのだ。少女はトイレに入ってきたものにいきなり質問を始めるのだ。「足はいるか?」と質問されたら、もちろん「いる」と答えなければならないのだ。もし、「いらない」と答えたら、その場で足を切り取られてしまうからなのだ。」

亘理『えー……もー……!』
ググッ!
悠「おっぉー!」

摩耶「浮いてる」

神姫「ぶら下がり健康法かしら」

亘理『ぜぇぜぇ』

千世子「無事に足を守りとおしたら、次の質問が待っているのだ。カシマさんはこう問うのだ。「この話を誰に聞いたか?」」

サタン「だいぶ息が上がってるのだ」

摩耶「まぁ、男でも大きめのを両腕で引っ張り上げてるわけだからね」

神姫「別に念動力(サイコキネシス)で上げればいいのに。」

亘理『あっ、そっか。とりゃ!』
メヂヂヂッ!
悠「い゛でででっ!」

千世子「なぜなら、カシマさんが現れる前に、友達からカシマさんの話を聞いているはずなのだ。しかし、ここで「○○さんから聞いた」と答えてはいけないのだ。「カシマさんから聞いた」と答えるのが正解なのだ。正解しないと、取り殺されたり、祟られたりするのだ。このときに「カは仮面の仮、シは死人の死、マは魔界の魔」と、カシマの漢字を答えなければならないという場合もあるのだ。もし、カシマさんに会いたくなければ、カシマさんの話を聞いてすぐに、同じ話を5人に話せばいいというのだ。」

悠「なにすんじゃい!」

サタン「吊し絞め上げみたいな状態になってたのだ。」

亘理『んー……細かいのって難しいね。』

サタン「どっばーんとやればいいのだ!」

千世子「足や手など体の部品に執着するカシマさんは、米兵に強姦されて自殺した女性とか、列車に轢かれて半身を失った女性、またはピアニストで指を切断した女性ともいわれるのだ。」

悠「おれの身体が引きちぎれるわ!」

累「見たい」

リリス「ちょっとポップコーンとコーラもってくる!」

摩耶「映画感覚」

悠「ならねぇから!」

千世子「このカシマさんが現れたのは、1970年代といわれていて、その後に日本中で有名となる、口裂け女の原型になったという説もあるのだ。またカシマさんの本名は仮死魔霊子といい、このレイコは、同じようにトイレに出現するトイレの花子さんの別名でもあるのだ。ひょっとしたら、彼女は都市伝説を代表する美少女二人の本来の姿なのかもしれないのだ。以上、カシマさんのじゅぎょーだったのだ。」
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