ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/2/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

摩耶「そろそろ花粉が酷くなってくるね」

花描「摩耶くんは花粉症の気があるのか?」

摩耶「今のところはまだないよ。けど、目が痒くはなるんだよね。」

神姫「そうなの。大変ね」

摩耶「僕もともと体弱いから。免疫がね…」

悠「なんかあったら柳ンところすぐいけよ」

千世子「それじゃあ今日のじゅぎょーはこれなのだ」

【アミュレット】
魔力を宿した護符

悠「怒りの護符ならおれも持ってる」

摩耶「ヒートゲージが大きく上昇するね」

千世子「アミュレットとは、護符、いわゆる「お守り」なのだ。地域の文化や使用目的などにより、様々な種類が存在するのだ。例えば日本では、大きく分けて「お札」と「お守り」の二種類があるのだ。」

神姫「御守りのなかにお札が入ってたりする事もあるけどなにか違いはあったりするの?」

千世子「ハッキリとした定義があるわけじゃないのだ。ただ概ね「お札は紙に呪術的な文字(多くは神様の名前そのもの)が書かれてあり、その文字が直接みえるもの」「お守りは、呪術的な文字が書かれた紙が別の紙や布で包んであり、外から文字が見えないもの」と考えてたら間違いないのだ。」

悠「つまりお守りにお札を貼れば効果二倍!」

花描「盛ればいいものじゃないだろ」

千世子「日本の神道で利用される神符は、紙に書いた文字そのものが魔力を発揮すると考えていいのだ。キョンシーで有名になった中国の跳戸術(死体を動かす術)で使う霊符もやはり書いてある文字によって魔力が発揮されるのだ。」

悠「ち~か~よ~る~な~」

花描「今日は神靈廟ネタでいくんだな」

悠「どうかなぁ?」

千世子「ところが、西洋の魔法で利用される護符には、基本的に文字が書かれていないのだ。文字が書いてあったとしても、文字そのものが魔力を発揮するわけではないのだ。ただし、ルーン魔術は例外なのだ」

摩耶「つまり……どゆこと?」

千世子「西洋の護符は、大きく分けて「アミュレット」「タリスマン」「チャーム」の三種類の呼び方があるのだ。「防御的な目的に特化したものがアミュレット、自分の能力を高めるような動きをするものがタリスマン……」といった使い分けを主張する向きもあるが、実際にはこの三つはほぼ同じ意味で使われているのだ。」

花描「それって護符っていうか宝石じゃないのか?」

千世子「西洋の護符は、ほとんどが鉱石や宝石、貝殻、動物の骨、金属といった材質で作られた装飾品の形をとっているのだ。西洋の魔術は「声に出して呪文を唱えることで初めて効果を発揮する」といった考え方が根強いため、文字だけ書いた護符を持っていても意味はないっていう考え方なのかもしれないのだ。以上、アミュレットのじゅぎょーだったのだ。」
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