ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「春っぽいなぁ」

摩耶「いや、ぽいっじゃないと思う」

累「お前の頭は年中春だろ」

リリス「脳味噌傷んでそう」

悠「あぁん?!」

【口裂け女】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。夕闇が迫る黄昏どき。いつも変わらない通学路で、なぜか普段と違って見える瞬間があるのだ。」

亘理『ま、まぁまぁ悠ちゃん落ち着いて』

悠「おれは落ち着いてる。ただし、怒りは保っている。」

累「血管きれないかな」

リリス「憤死ってのみてみたぁーい」

摩耶「武将かな?」

千世子「そんなとき、目の前に赤くて長いコート姿の女性がひとりたたずんでいることがあるというのだ。本当に赤いのか、それとも夕焼けが赤く映えたのかはわからないのだ。その顔は、目までかかる髪の毛と、ほとんど顔全体を覆うマスクでよく見えないが、それでも美人だと、直感で分かる全体からにじみ出る風格があるのだ。そして足早にその女性の側を通りすぎようとすると、ふいに話しかけられるのだ。」

悠「憤死しそうになったらまずお前らをぶん殴るからな」

累「嫌だ。私は殴るのは好きでも殴られるのは嫌いなの。」

神姫「それは誰だってそうでしょうね。」

累「ふふんっ」

悠「なに勝ち誇ってるんだこの悪魔ちゃんは」

千世子「「わたし……きれい……?」彼女はそういうと、マスクを外すのだ。このとき「見てはいけない」と心の奥底から直感的に感じても、目は女の顔に釘付けになってしまうのだ。なぜなら彼女の口は耳元まで裂け、目は狂気に満ちており、そして、手には巨大な鎌を持っていたからなのだ。これが有名な口裂け女の話なのだ。」

累「でも、もっと正しく言うと私は血が見たいだけで、勝手に争ってボロボロになってくれたらそれでいいのよ?」

リリス「争え、争え」

悠「戦争加害者め」

摩耶「平和式典とかで火炎瓶投げ込みそう」

神姫「争いと災いを権化ね。」

千世子「先ほどの質問に「綺麗じゃない」と答えると鎌、あるいは鋏や斧で斬り殺されたり、同じように口を引き裂かれるのだ。「綺麗だ」と答えても、家まで追いかけてきて、最終的には切り殺されるのだ。」

悠「口裂け女に襲われたらいいのに」

累「口が裂けてるなら顔蹴ったら頭ももげんじゃね?」

リリス「走ってくるならワイヤーかピアノ線で一発よ」

摩耶「それだ」

悠「摩耶、同調しない」

千世子「返答を聞いてからマスクを取ることもあり、もし「綺麗だ」と答えると「これでも綺麗か?」と叫び、マスクを取って追いかけてくるというのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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