ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん。」

摩耶「雨だね」

悠「雨」

雨「……」

悠「あ、天気の方の事だよ?」

雨「なにもいってない」

悠「なんかいえや!」

雨「……」
ブァッ!

悠「あっ、靴紐解けてる」
スッ

ビダッ!
亘理『きゃーー!糸がぁーー!』

摩耶「投網かな」

神姫「何やってんだか」

悠「え?なに?」

雨「避けるな!」

悠「いや、靴紐がさぁ。」

摩耶「あのニヤケツラ、絶対に意図してやったね。」

サタン「糸だけになのだ……あっ、今のやっぱなし!」

悠「……」
ピッ
『糸だけになのだ……あっ、今のやっぱなし!』

千世子「いつの間に録音したてのだ」

サタン「消せなのだ!」

亘理『それよりほどいてぇ…』

神姫「これ、素人が手を出したら二次被害が出るパターンよね。」

摩耶「挟みで切れそうにないし……」

悠「ということは」

累「糸には火ね」

リリス「虫は火に弱いしねぇ。」
カチッカチッ

亘理『炙られるゥッ!』

神姫「炙るで済んだらいいけどね。」

摩耶「ガスバーナーだし」

悠「おい、蜘蛛っ娘、どうにかしろよ。」

雨「うるさい黙れ。今解くわよ。」
ほどきほどき
亘理『ひぃ、ひぃ…』

神姫「やっぱり糸をいじるときは蜘蛛足の方なのね」

摩耶「はた目から見たら完全に捕えて食い殺そうとしてるシーンだね。」

リリス「焼きたかったのに」

悠「校舎が焼けるだろ。屋外でやれ」

スキュラ「コッコッと火炎瓶も作ってますから外から投げ込まれでもしたら大変ですよ」

悠「過激派だなぁ。」

神姫「そういうレベルじゃないでしょ」

累「でも、できれば記念すべき第一投は小鳥遊家に投げ込みたい」

悠「ほんきで吊るしあげるぞ、この悪魔が!」

累「悪魔はあっち」
↓
リリス「呪い有れ!」

悠「どう考えても呪いとかじゃ無くて物理的に害をなしてくる系なんだよなぁ。」

摩耶「なんにしても悪魔は悪魔だね」

亘理『はぁはぁ、死ぬかと思った』

悠「殺そうとしたのはあの悪魔ちゃんズだけどな」

累「私はそんなこと考えてないよ。純粋に糸を燃やそうとしただけ」

リリス「バーナーで遊びたかっただけ」

摩耶「無邪気な殺意」