ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「饅頭蒸してきたけど食べるか?」

千世子「食べるのだー!」

摩耶「どしたの?」

悠「いや、店で出すやつの試作品。」

摩耶「店?」

悠「……茶屋のな」

摩耶「茶屋ー?」

悠「アイアム、チャヤ、テーンシュ!!」

摩耶「アイテム盗まないと(使命感)」

悠「頭突きすんぞ!って、そっちの店主じゃねぇ!」

神姫「で、食べていいの?」

悠「アッハイ、どうぞ召し上がってください」

千世子「すごいお酒の香りがするのだ」

悠「酒蒸しだからな」

サタン「甘いのだ」

悠「饅頭だからな」

サタン「肉はないのだ?」

悠「ないよ。」

サタン「甘い物を食べたらしょっぱいものがほしいのだ。」

悠「そのループは自分を見失うぞ」

サタン「どんな風になのだ?」

悠「やめられなくなる。そして体重と血圧だけがうなぎ上り」

神姫「いや、適当なところでやめなさいよ」

悠「やめられるやつは爆食いしないって」

亘理『はぐはぐ、はぐはぐ……え?』

悠「なっ?」

摩耶「両手に持って食べるっていうのは食いしん坊の様式美かな?」

千世子「亘理ちゃんは食いしん坊なのだ」

亘理『へへっ』

神姫「褒められてはないわよ」

累「天井からぶら下がる肉の塊……あれ、冷凍庫だったかしら?」

亘理『誰が肉の塊だ!』

悠「今のはなかなか面白かった」

亘理『ガブッ!』
悠「……」

摩耶「面白い?」

悠「刺さるような痛みが頭に走ってる」

リリス「実際、歯が刺さってるからね。」

亘理『ガジガジ』
悠「それで饅頭の味どう?」

摩耶「いつもどうり、かな」

神姫「そうね。不味くもないけど代わりばえもない饅頭ね。」

サタン「足りないのだ」

悠「遠慮のない意見をありがとよ」

千世子「なにか変えてたのだ?」

悠「変えてない。だけどきっちり一定の味を出せてるだろ。」

摩耶「まぁ、ころころ味が変わってたらダメだろうから、それはいいことだけどね。」

悠「一応、つぶあんのと黒糖も作るから三種類は出すんだが……饅頭の出ってそこまでいいわけじゃないんだよなぁ。」

神姫「店先で蒸せばいいじゃない」

悠「それやったら饅頭より肉まんを蒸してくれってやつがいるんだよ」

千世子「蒸しちゃダメなのだ?」

悠「うちは飲茶屋じゃなくて茶屋ですから!」
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