ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「風ヤバくね?」

摩耶「ヤバいね」

神姫「ホントにヤバいわね。」

悠「うち、外に置いてる洗濯機がぶっ倒れてて水がどばっしゃん、どばっしゃんになっててびっくりした」

神姫「その言い方に殺意がどばっしゃん湧きそうよ。」

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。岩手の金田一温泉の緑風荘は、座敷童が出ることで全国的に有名な旅館なのだ。ここの座敷童は、宿泊客にも見えることで話題になり、しかも、見た人は幸運に手に出来ると人気の旅館なのだ。」

悠「神姫のどばっしゃん発言が受けるぅー」

神姫「辞世の句はそれでいいの?」

悠「許して、許してクレメンス…」

亘理『煽ってるのかな?』

摩耶「天然のヘイトアッパーだから」

千世子「緑風荘は、元禄時代に建てられた旧家の母屋を改装したつくりで、昭和30年ごろから旅館として開業したのだ。」

悠「でも、この春の嵐はほんとヤバいな」

サタン「我が魔王の嵐をみせてやるのだ!」

悠「……しかも気温も下がるらしいじゃん?」

サタン「……すぅっ、わ・れ・が!」

悠「耳元で大声出すんじゃねぇ!!」

千世子「どっちもうるさいのだ!!」

「「ごめんなさい(なのだ)」」

千世子「ったく、しかし、それ以前からも、座敷童が出ることは有名だったので、数々の有名人や有力政治家などが宿泊していたのだ。そして宿泊した政治家が総理大臣になったり、事業が成功したりと、緑風荘の座敷童は、ますます有名になったのだ。」

悠「怒られた」

神姫「あとで三発蹴るわね」

悠「ひぃ、加算式!」

摩耶「お尻が大きくなれるよ」

悠「別におれ、ヒップサイズにこだわってないんだけどなぁ。」

千世子「緑風荘の座敷童は、夜中に生木を裂くような音を立てたり、寝ている人を金縛りに合わせたりするというのだ。運が良ければ、部屋の中を走りすぎる黒い影を見たこともあるというのだ。」

摩耶「じゃあ首の長さとかこだわる?」

悠「それこだわったら、おれどんな目に遭わされるの?」

亘理『伸ばされる?』

悠「首長族か!」

スキュラ「少数民族っていうやつですね。」

千世子「主に座敷童が出るといわれる槐の間には、座敷童へのお供え物が、山のように積まれているのだ。」

悠「少数民族って何が怖いって割礼とかあるのがガチで怖い」

亘理『カツレイってなに?』

悠「男性器の皮とか女性器の一部を切り取ったり裂いたりする行為」

亘理『ひっ……って、ウソ着け!』

神姫「ホントよ」

摩耶「まだインドネシアとかでやってるらしいよ」

千世子「宿泊する部屋としては異様な光景だが、やはり最も人気の高い部屋で、なかなか予約がとれないそうなのだ。今回はここまで続きは次回なのだ。」
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