ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「なんかグラウンドにでっかいキノコ生えてるね。」

悠「なに?不浄のキノコ」

亘理『なにそれ?』

神姫「クトゥルフ神話に出てくるヤバいキノコ」

悠「きのこ人間にはなりたくなぃぃ!」

千世子「はい、前回の続きからなのだ。しかし、先ほどの生き物を見た人々は、気味悪がって誰も食べようとしなかったのだ。男は、宴会が終わるとその肉をお土産にして全員に配ったが、ほとんどの人は帰り道でそれを捨てていったのだ。長者も捨てようと思っていたが、なんとなく袖に入れたまま家まで持ち帰ってしまったのだ。」

摩耶「股間に不浄なキノコ生えてるじゃん」

悠「不浄ではない!神秘だ!」

神姫「……」
ズドッ!
悠「ぎぇっ!!」

亘理『喉に指が突き刺さった…』

千世子「ところが、その土産を見つけた娘が、長者の目を盗んで一口食べてしまうのだ。すると、そのおいしさはこの世のものとは思えない程だったので、娘は、残りの肉もすべて食べてしまったのだ。」

悠「死ぬかと思った」

累「ちょっとナイフ刺してみよう」

悠「やらせるか!こっちにはクッキーみたいなシールドがあるんだぞ!」

亘理『食べ物で遊ばない!』

悠「これは食べ物ではない」

神姫「違うわね。」

摩耶「違うね」

千世子「その後、娘は全く年を取らなくなり、両親はもとより、結婚しても夫に先立たれ、子供にまで先に死なられてしまい、数十年経つ頃には身近な人々がすべてなくなっていったのだ。こうしてふろうふしのみとなった娘は、尼となり諸国を行脚して回るようになったのだ。」

亘理『まさかの全員否定』

悠「じゃあ、ひと齧りでもいいから食ってみろよ」

亘理『……』

悠「どうした。」

亘理『ワタシ、ソンナニクッキースキジャナインダー』

千世子「そして800年を生きた八尾比丘尼は、生まれ故郷の若狭に戻り、空印寺の洞穴に入定は、その生涯を自ら終えたのだ。」

悠「うそつけ!てめー、クッキーだろうがビスケットだろうがめっちゃくってんだろ!!」

摩耶「まぁまぁ、これは食べれないクッキーってことでいいじゃん」

累「鉱物でも噛み砕くベヒモスなら食えるんじゃね?」

悠「腹壊すからダメだろ」

亘理『壊さないよ!』

千世子「伝説では美少女で、16~7歳から年を取らなくなった八尾比丘尼だが「南総里見八犬伝」では、玉梓怨霊が憑りついた妙椿が八尾比丘尼で、その正体は雌の古狸。そして、年齢は40歳ほどに見えると描かれているのだ。以上、八尾比丘尼のじゅぎょーだったのだ。」
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