ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「この前、メロンパンが食べたくなって買って食べたんだけどさ」

千世子「カリカリ?ふわふわ?」

悠「カリカリのだな。そしたら何かカメムシのフレーバーを感じた」

摩耶「メロンパンに謝ろうか」

悠「だってホントにしたんだもん!」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。座敷童は現代の都市伝説の中にも息づいているのだ。ある家で幼稚園が休みだったので、近所の子供たちを集めて遊ばせていたのだ。」

神姫「青臭く感じたとかいうのならわかるけど、カメムシフレーバーってなによ」

悠「そう青臭いののカメムシよりな感じ!」

サタン「つまりマズかったのだ?」

悠「いや、おいしかったよ。クッキーキジもサクサクで、メロンパンらしいメロンパンだったし。また売ってたら買うと思う」

摩耶「食パンにカメムシ挟んで食ったらいいんじゃないかな」

悠「それは違う」

千世子「おやつの時間になったので、人数を数えてみると、呼んだ人数より子供の数が多い気がするのだ。しかしどの子にも見覚えがある気がして、誰が呼んでない子なのかわからないのだ。もう一度数え直してみると、さっきよりひとり少なくなっているのだ。それでも、やはり誰が居なくなったのかわからないのだ。もう一度数え直すと、またひとり多いのだ。」

亘理『これがホントの(カメ)ムシパン?』

「「「……」」」

亘理『ごめん、今のなしで、忘れて、何も言わないで!!』

神姫「一発叩こうか?」

亘理『……いっそそれもありかもしれない。』

悠「やめとけ死ぬぞ」

千世子「仕方なく多い方の人数分のおやつを用意したのだ。夕方になって、子供たちが帰るときに、またひとり少なかったのだ。だからひとり多いときに居たのが、きっと座敷童だろうということになったのだ。」

神姫「……」
パァン!
悠「いだぁい!?って、なんで、なんでおれぶたれたの!!」

神姫「ムカついたっていうシンプルな答えよ」

スキュラ「馬鹿にも通じるシンプルさですね。」

悠「今、スキュラはなんでさらっとディスったの?」

スキュラ「こういうのがいいのかと思いました。」

悠「悪くはない!エッジが効いててな!」

千世子「伝説は姿形を変え、願望を混ぜた福の神、座敷童を具現化していくのだ。」