ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「今年の夏は猛暑日が多くなるらしい」

摩耶「いきなりぶっこんだね。」

悠「冬がおかしいぐらい寒かったから夏もおかしいぐらい暑くなるってことかな」

千世子「いやなのだ。」

悠「はははっ」

神姫「なに笑ってるんだか」

摩耶「真桜ちゃんも絶望しそう」

悠「寒いあいだはおれも絶望してたし」

神姫「だから?」

悠「めっちゃ辛辣ですやん」

摩耶「ほら、真桜ちゃんに絶望は似合わないけど悠君に絶望似合いすぎるから」

悠「希望もください」

摩耶「すいません、それ来月からなんです」

悠「じゃあ、勇気を」

摩耶「ですから、すいません。それも来月からなんですよ。」

悠「なら豆カン」

摩耶「自分で用意しろ」

悠「最後だけなんで辛辣なんですかね。」

サタン「最初からやさしさなんてなかったってことなのだ。」

悠「愛しさと切なさと心強さは?」

摩耶「波動拳ぶちかましたい」

神姫「弾針剄でよければやるけど」

摩耶「ああ、よろしくお願いします。」

悠「やめでぐぁっ!」

千世子「止める間もなかったのだ。」

サタン「速きことケルベロスの如くなのだ」

悠「そんなの聞いたことない」

サタン「うるせぇ!なのだ」

悠「なんで今日はみんなそんな辛辣なの?」

摩耶「そうでもないよ」

悠「そっか」

千世子「納得が早いのだ」

悠「受け入れたくないことも受け入れるのが大人なんだよ。まぁ、おれは受け入れないけどな!!」

神姫「大人じゃないなら18禁ね。」

悠「ちょー受け入れるし!もうどっかんどっかんだよ!!」

摩耶「手のひらがねじ切れるぐらいの手のひら返し」

神姫「物理的に千切れればいいのに」

悠「この職人の手が傷つくことは世界の悲劇」

摩耶「何言ってるのかわかんない」

悠「だよな。おれもだわ。」

神姫「……」
ゴッ!
悠「ヴっ!」

サタン「わき腹に肘が入ったのだ。」

悠「な、なんで…」

神姫「イラッとしたから」

摩耶「むしろ、それ以外の理由が見当たらない」

悠「いや、好きな相手に意地悪したくなる真理かもしれない」

神姫「自殺まで追い込みかけたくなるわ」

悠「おれを自殺まで追い込むって相当なことしないと無理だぞ」

千世子「その威張り方はおかしいのだ。」
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