ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ぴよこ、髪伸びたなぁ。切らんのか?」
わしゃわしゃ
千世子「今切ると寒いからまだいいのだ。」

悠「ああ、なるほどな。よし、トリプルテール完成」

千世子「……」

悠「なんで若干不服そうな顔をしている。」

千世子「一本多いのだ」

亘理『次私!私の髪!』

メフィスト「悠さーん、ちょっといいデスか?」

亘理『がるるっ!』

悠「なんだ」

メフィスト「なーんデ、亘理さんに睨マれているんデスか?」

悠「気にしなくていい。それで何か用か?」

メフィスト「お客人が見えていマス」

悠「客?」

赤い老人「お初にお目にかかる。」

黒い紳士「お世話になっております。」

悠「……」

摩耶「ヤクザとギャングかな?」

千世子「おそらくあんちんが飲みこんだ言葉をぶっ放す摩耶君はすごいのだ。」

悠「えーと、どちら様で?」

メフィスト「赤い方が魔王べリアル、黒い方が堕天使ネビロス、アリスさんの親といったら分かりやすいデシょうか。」

悠「アリスの親?!」

べリアル「正確に言うと彷徨っていた彼女の魂に魔力を与え」

ネビロス「失われた肉体を作り直してあげました。」

悠「ゼロから始まる死神生活」

神姫「作ったのはいいとしてどうして野放しになってるの?」

べリアル「あの娘が望んだからだ」

ネビロス「もともとは私たちが作った次元空間で暮らしていたのですが、お気に召さなくなってしまいましてな。」

悠「次元空間?」

メフィスト「私が言うのもなんデスが、そりゃあ暮らしたくないでシょう」

千世子「どんなところなのだ?」

メフィスト「東京の六本木を再現シた空間デスが住民が皆ゾンビデス」

悠「わぁーぉ…」

べリアル「これまでも宝石、お菓子、衣服、彼女が欲しい物はなんでも用意してきたのだがな」

ネビロス「それでも外で遊びたいといいだしてしまいました。いやはや、やはり女の子は外で楽しみたいものなのですな。」

悠「楽しみたい(死体蒐集)だけどな」

摩耶「ああ、それで将来的に死体予約されてる悠君に挨拶を?」

べリアル「そう。どうか、ひとつよろしく頼む」

ネビロス「なにか困ったことがあればいってください。彼女のためならば我々もなんでも手を貸そう。」

悠「これ、死神だけでなく魔王と堕天使に死後の魂と肉体狙われてるってことじゃね?」

神姫「そうね」
51/100ページ
スキ