ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「寒いなぁ。しゃりしゃり」

サタン「なに食べてるのだ?」

悠「冷凍みかん」

千世子「寒いって言いながら食べる冷凍みかんは美味しいのだ?」

悠「正直……美味いっす」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。前回の続きからで、ある冬の吹雪の夜、吾作はふと10数年前の雪山での出来事を思い出したのだ。そして、子供の着物を繕っている雪に、その日の出来事を話してしまったのだ。「そういえば、あの女の顔は、お前そっくりだったかもしれんな」と、彼女の横顔を見ながら言うと、雪は急に形相を変えて吾作を睨んだのだ。」

神姫「食べるなとは言わないけど、食べるなら寒いっていうのやめなさいよ」

悠「じゃあ、冷たい」

神姫「……」

摩耶「熱くなるほど叩きのめそう」

悠「さするくらいにしといてくれないかな?」

千世子「「あの夜のことは、決して人にいってはならないと約束したはず。もし、約束をたがえれば、あなたを殺さなければならないのです。しかし、子供たちに免じて、今回だけは命を取るのはやめましょう」そういうと雪は雪女の姿に戻り、吹雪とともに峠の彼方に消えてしまったのだ。」

累「カネダワシで」

リリス「剣山で」

悠「百歩譲ってカネダワシは擦るもんだけど、見参はちげぇから!!」

リリス「なら卸し金」

悠「顔が、顔がねぇよ!!」

千世子「雪女といえば、小泉八雲の「怪談」にも登場する、冬や雪山を代表する美女なのだ。」

摩耶「唐突な戦人君」

神姫「うみねこの曲は好き」

悠「内容は?」

神姫「……」

悠「ノーコメントらしい」

千世子「その姿は、まさに雪のように白く透き通った肌の美女で、口から吐きだす冷たい息で人間を凍らせて、生気を吸い取るといわれているのだ。地方によっては雪女と言葉を交わすだけで、食い殺されたり、生気を吸い取られたりするともいうのだ。このあたりになると、現代の口裂け女に通じるものがあるようにも見えるのだ。」

サタン「海猫ってどんな猫なのだ?」

スキュラ「鳥です」

サタン「え?」

スキュラ「鳥です」

サタン「嘘だ!」

スキュラ「ホントです」

悠「ひぐらしになった」

千世子「またこの話のように、気にいった人間のもとに嫁いで子供を作ることもあったというのだ。さらに子供関連でいうならば、雪女もウブメや濡れ女のように、子供を人間に抱かせるという伝説が残されているのだ。人間の嫁になったり、子供を抱いていたり、雪女はただの美女ではなく、人間的妖艶さを持った美女だったということなのだ。以上、雪女のじゅぎょーだったのだ。」
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