ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あと乗せサクサク」

千世子「うどんなのだ?」

サタン「麺類好きなのだ。」

悠「おれも麺は好きだ」

亘理『まかせろ!』
ガタッ!

悠「お前は座ってろ!」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。前回の続きからである日、玄翁和尚という高僧が那須野を通りかかり、人々を苦しめる殺生石のことを聞いたのだ。玄翁和尚は、法力によって殺生石に封じられた九尾の狐の怨念を鎮め。、さらに殺生石を打ち砕いたのだ。こうして三つに割れた殺生石は、美作、越後、安芸の高田と呼ばれる土地へ飛んでいったというのだ。これは「御伽草紙」と揺曲「殺生石」からの話しなのだ。」

亘理『なんでさ!』

悠「お前、料理駄目、絶対」

揺光【料理というのは作るものではない作らせて献上させるものぞ。】

悠「それもそれでどうなんだろうな」

摩耶「支配者」

千世子「玉藻前の正体は、白面金毛九尾狐といわれているのだ。九尾狐一族の中でも最強の妖狐で、紀元前11世紀ごろの中国に出撃して、紂王の妃である妲己を食い殺して成り代わり暴虐の限りを尽くして殷朝を滅ぼし、インドの王子斑足大使の妃、華陽夫人になりすますと、ふたたび残虐行為をふたたび行ったのだ。さらに周王朝の幽王の后、褒姒となり、周朝の終焉を演出したのだ。このようにアジアの大国の滅亡に関わり続けた九尾狐だが、その後は、しばらくその身を潜めることになったのだ。」

サタン「なるほどなーなのだ。」

悠「どいつもこいつも…」

スキュラ「食べ物は生(魚)のままが一番ですよ。」

ベヒモス「鉱石モス」

悠「最後のは食い物ですらない」

千世子「次に九尾狐が記録に残されたのは、753年の遣唐使船には、鑑真や阿倍仲麻呂など霊力の高い面々も乗っていたのだが、吉備真備を幻惑して潜りこんで日本へ潜入したといわれているのだ。」

神姫「自分に合うものを食べるのはいいことよ」

摩耶「ああ、悠くんが女の子を食べるみたいに」

悠「照れるぜ」

亘理『……』
ガシッ、ググッ
悠「じわじわと絞殺そうとするんじゃない!」

千世子「一方で、陰陽道に通じていたとされている真備が、やすやすと九尾狐の誘いに乗るわけではなく、当時の日本では神獣として崇められていた九尾狐を、わざと乗船させたのではないかとも考えられるのだ。」

揺光【妾は油揚げを所望する】

摩耶「狐だ」

悠「狐だな」

亘理『まさに狐』

サタン「狐はあぶらあげなのだ?」

千世子「室町期に玄翁和尚の活躍で、ようやく安らぎを得た玉藻前が、江戸時代になると、文楽や曲、歌舞伎などでも、玉藻前の故事が語られるようになり、酒呑童子や崇徳上皇と並んで、日本妖怪のトップに君臨するようになったのだ。以上、玉藻前のじゅぎょーだったのだ。」
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