ー奇談ー學校へ行こう(2)4
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「奇跡だ!」
千世子「どしたのだ?」
悠「今日は暖たかかった!!」
神姫「「た」が多い。」
悠「太陽に感謝!!」
【玉藻前】
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。鳥羽上皇が院政を行っていたころの話なのだ。宮中に藻女(みずくめ)という女が使えていたのだ。藻女は、北面の武士の坂部行網の娘ということだったのだ。藻女は、たいそう美しい娘で、ほどなくして上皇の目にもとどまり、上皇の側近くに使えるようになったのだ。ある秋の夜、上皇主催の歌会が催されたのだ。藻女も上皇の近くで歌会に参加していたのだが、このとき、秋風が吹き抜けて、灯火を全て消し去ってしまったのだ。ところが、その瞬間藻女の身体が輝く光を放ち、殿中が昼のように明るくなったのだ。このことから、藻女は玉藻前と呼ばれるようになったのだ。不思議な力を持つ玉藻前を、上皇はさらに寵愛するようになったのだ。」
悠「狐じゃ、狐の仕業じゃ」
揺光【怖いのぉ、怖いのぉ、コンコン】
摩耶「マッチポンプかな?」
悠「ナインテールフォックス!!」
神姫「うるさい」
千世子「玉藻前が上皇の側近くに使えるようになったころから、上皇の身体がじょじょに衰え始め、ついには病にかかってしまうのだ。あらゆる医者も原因が分からず、最後に陰陽師の安倍泰成が召しだされたのだ。さっそく易を立てて占ってみたところ、原因は玉藻の前にあると判明したのだ。そして、正体が狐の精だと看破された玉藻前は、白面金毛九尾狐の姿を現して、宮中から飛び立っていったのだ。」
悠「ツインテールを操るナインテールだけど心はデレデレ愛してる」
亘理『ノリノリだね』
摩耶「っていうか、揺光さん、見計らったように出てきたね。」
揺光【妖怪じゃからな】
悠「神出鬼没」
千世子「その後、各地を荒らしまわった九尾狐は那須野に落ち着き、そこでも領民や旅人に害をなすようになり、困った那須野の領主は都の上皇に九尾狐討伐を要請したのだ。かねてから九尾狐退治を考えていた上皇は、さっそく三浦介義明、上総介広常に出陣を命じて、安倍泰成を軍師に任命し、那須野に大軍を派遣したのだ。ところが、大軍を見た九尾狐はセミの姿に変身してなかなか姿を現さないのだ。木の枝に隠れたまま、都の軍隊をやり過ごそうと思っていたのだ。しかし、三浦介が池に映った九尾狐を発見して、見事に矢で討ち取ったのだ。瀕死の九尾狐は、最後の力を振り絞って巨大な岩に姿を変え、辺り一面に毒素を振りまくようになり、近づく者はみな息絶えたのだ。」
揺光【今ならもっと多種多様な毒を出せるのにのぅ】
悠「超怖い」
揺光【神経毒で動けなくして少しずつ衰弱させたりのぅ】
累「これにやってみて」
グッ
悠「押すんじゃねぇ!」
千世子「やがて時は過ぎ、京の室町に足利氏が幕府を開いたのだ。玉藻前の殺生石は、いまだに毒をまき散らし、鳥獣や、時には人間にも害をなしていたのだ。今日はここまで続きは次回なのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「奇跡だ!」
千世子「どしたのだ?」
悠「今日は暖たかかった!!」
神姫「「た」が多い。」
悠「太陽に感謝!!」
【玉藻前】
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。鳥羽上皇が院政を行っていたころの話なのだ。宮中に藻女(みずくめ)という女が使えていたのだ。藻女は、北面の武士の坂部行網の娘ということだったのだ。藻女は、たいそう美しい娘で、ほどなくして上皇の目にもとどまり、上皇の側近くに使えるようになったのだ。ある秋の夜、上皇主催の歌会が催されたのだ。藻女も上皇の近くで歌会に参加していたのだが、このとき、秋風が吹き抜けて、灯火を全て消し去ってしまったのだ。ところが、その瞬間藻女の身体が輝く光を放ち、殿中が昼のように明るくなったのだ。このことから、藻女は玉藻前と呼ばれるようになったのだ。不思議な力を持つ玉藻前を、上皇はさらに寵愛するようになったのだ。」
悠「狐じゃ、狐の仕業じゃ」
揺光【怖いのぉ、怖いのぉ、コンコン】
摩耶「マッチポンプかな?」
悠「ナインテールフォックス!!」
神姫「うるさい」
千世子「玉藻前が上皇の側近くに使えるようになったころから、上皇の身体がじょじょに衰え始め、ついには病にかかってしまうのだ。あらゆる医者も原因が分からず、最後に陰陽師の安倍泰成が召しだされたのだ。さっそく易を立てて占ってみたところ、原因は玉藻の前にあると判明したのだ。そして、正体が狐の精だと看破された玉藻前は、白面金毛九尾狐の姿を現して、宮中から飛び立っていったのだ。」
悠「ツインテールを操るナインテールだけど心はデレデレ愛してる」
亘理『ノリノリだね』
摩耶「っていうか、揺光さん、見計らったように出てきたね。」
揺光【妖怪じゃからな】
悠「神出鬼没」
千世子「その後、各地を荒らしまわった九尾狐は那須野に落ち着き、そこでも領民や旅人に害をなすようになり、困った那須野の領主は都の上皇に九尾狐討伐を要請したのだ。かねてから九尾狐退治を考えていた上皇は、さっそく三浦介義明、上総介広常に出陣を命じて、安倍泰成を軍師に任命し、那須野に大軍を派遣したのだ。ところが、大軍を見た九尾狐はセミの姿に変身してなかなか姿を現さないのだ。木の枝に隠れたまま、都の軍隊をやり過ごそうと思っていたのだ。しかし、三浦介が池に映った九尾狐を発見して、見事に矢で討ち取ったのだ。瀕死の九尾狐は、最後の力を振り絞って巨大な岩に姿を変え、辺り一面に毒素を振りまくようになり、近づく者はみな息絶えたのだ。」
揺光【今ならもっと多種多様な毒を出せるのにのぅ】
悠「超怖い」
揺光【神経毒で動けなくして少しずつ衰弱させたりのぅ】
累「これにやってみて」
グッ
悠「押すんじゃねぇ!」
千世子「やがて時は過ぎ、京の室町に足利氏が幕府を開いたのだ。玉藻前の殺生石は、いまだに毒をまき散らし、鳥獣や、時には人間にも害をなしていたのだ。今日はここまで続きは次回なのだ。」