ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「うわっ、カカオ臭」

摩耶「チョコフォンデュだって」

千世子「あまあまなのだ。」

悠「甘い、甘い……アマアマやでぇ、桐生ちゃーん」

神姫「……」

悠「あら、冷たい目」

【メリュジーヌ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。西フランスのブリュターニュ地方に伝わる🐍女伝説なのだ。この地方をおさめる領主レモンダンは、ある日森をさまよっているときに、泉の側で水浴びをする美しい女に出会ったのだ。女はメリュジーヌと名乗り、レモンダンに求婚してきたのだ。レモンダンは、メリュジーヌの申し出を受けて結婚することにしたのだ。メリュジーヌは、結婚に際してレモンダンとひとつだけ約束を取り交わしたのだ。」

摩耶「チョコフォンデュって最近だと普通に自宅でもできる機械あるよね。」

悠「ドン・キホーテで売ってたりするよな」

亘理『いってみたい』
ズズッ
悠「寒いから憑りつくのやめて」

サタン「チョコ食べてるとしょっぱいものが食べたくなるのだ」

千世子「それは毎週土曜日だけは、絶対に自分に合わないようにしてというものだったのだ。」

千世子「メリュジーヌは、次々にレモンダンの子供を産み、子供たちもそれぞれが立派に育っていったのだ。ところが、レモンダンの兄はあまりにも出来の良すぎる義妹を怪しみ、弟であるレモンダンに、妻が隠し事をしてるに違いないと囁いたのだ。レモンダンは、兄のいう事でもあり動揺してしまい、ついに禁じられていた土曜日の妻の部屋を覗いてしまったのだ。すると、そこにはいつも見る美しい妻の姿はなく、下半身が蛇の姿をした怪物が湯あみをしているのを見てしまったのだ。レモンダンは、妻が姿話見られたくなかった本当の理由を知り、つまらない疑いをかけたことを後悔したのだ。メリュジーヌまたそんなレモンダンの心中を察して何も言わず許すことにしたのだ。」

悠「昆布ならあるぞ」

サタン「それをどうしろというのだ」

悠「しゃぶる」

摩耶「まぁ、出汁は出るだろうね」

亘理『昆布とチョコって酷い組み合わせ』

千世子「しかしある日、二人の息子の一人が殺人を犯してしまったのだ。レモンダンは悲しみのあまり、うっかり「しょせんは蛇女の息子だ」と叫んでしまったのだ。そういった途端、メリュジーヌの姿は蛇の姿に戻ってしまい、翼を生やして飛び立ってしまったのだ。」

悠「すこんぶよりいいだろ。」

摩耶「甘酸っぱくなってイチゴチョコ味?」

神姫「絶対にならない」

サタン「せめて煎餅ぐらいがいいのだ。」

悠「甘いしょっぱいの無限ループはやめとけ」

千世子「見てはいけないものを見てしまう、言ってしまうという点は、日本の雪女や、鶴女房などと同じような展開なのだ。異類婚姻譚の伝説と呼ばれるものであるが、最も分かりやすく共通しているのは、どの物語でも普段は美女で幻想的な女性だが、本当の姿はとても怖いということだろうなのだ。以上、メリュジーヌのじゅぎょーだったのだ。」
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