ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「さむいっす」

千世子「サンタさんに気温をお願いするといいのだ」

摩耶「サンタはイイ子のところにしか来ないから無理だよ。」

悠「えー、おれいい子ですけどぉー?」

神姫「はぁ」

悠「ガチため息やめて」

千世子「ローレライのじゅぎょーの続きしますなのだ。ハイネの詩が発表する以前から、ローレライの岩には魔女伝説が語り継がれており、ライン湖畔に12世紀から立つ名城シェーン・ブルグ城の7人の娘が、ライン川の魔女になったという伝説もあるのだ。」

亘理『サンタはいないけど』

サタン「サタンはいるのだ!!」
どやぁ

悠「はい」

サタン「はいじゃないのだ!!」

悠「その言うタイミング狙ってましたっていうドヤ顔が気にいらん!!」

千世子「シェーン・ブルグ城には、自分たちの美しさを鼻にかけて、言い寄る男たちを手玉にとっては次々に捨てる冷血な7人の姉妹が住んでいたのだ。姉妹は、自分たちがどうやって男を虜にして、最後はどうやって捨てたかを自慢し合っていたのだ。」

サタン「……」
ゴッ!ゴッ!
悠「痛い痛い!無駄に尖ったアーマー部分で突くんじゃない!」

累「……」
ギュイィィィン、ギュイイィィン!

悠「丸鋸だすな!」

リリス「チェーンソーがいい?」

千世子「ある日、シェーン・ブルク城にひとりの美しい騎士がやってきたのだ。姉妹は、騎士を誰がモノにするかを競い合ってついに末の妹が騎士の心を射止めたのだ。騎士と末娘はいつも一緒に過ごしていて、すぐに破局するようには見えなかったのだ。騎士もすっかり魅了されて、娘の父である城主に、結婚の申し出をしようと心に決めたのだ。ところがそのときになって、娘はいつものように、ゴミでも捨てるかのように騎士を捨てたのだ。」

神姫「なんで丸鋸とかチェーンソーがすぐ出てくるの?」

スキュラ「ベヒモスさんの爪とかを切るためらしいです。」

悠「ごっついもんで切ってんな……あれ、でも何か見たことあるような」

摩耶「牛かな?」

悠「ああ、それだわ。」

千世子「騎士は絶望して、ライン川に身を投げたのだ。ところが、ラインの底には妖精の国があり、そこはラインに身を投げたもの達が行きつく先でもあったのだ。妖精の国の女王は、騎士の話を聞くと男に同情し、7人の姉妹を深く憎んだのだ。そしてある日、姉妹をライン川の岸辺に誘い出して、魔力で娘たちを岩に変えてしまったのだ。自分たちの美しさ以外愛せない、石のような娘たちならば、本物の石になってしまうがいいと呪いをかけたのだ。」

累「じゃあ、首とかいっとく?」

悠「いかねぇわ!」

神姫「絶対臭いし汚いからやるなら他所でやりなさい」

悠「なんかそれ地下とかに監禁されてバラされるやさじゃん」

摩耶「ホラーの王道」

千世子「永遠に美しさを奪われた姉妹は、それでも男たちを誘惑することを忘れることができず、岩の下を通る船に歌声をきかせて幻惑し、船を沈没させるようになったというのだ。以上、ローレライのじゅぎょーだったのだ。」
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