ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「これはヤバい、寒さがストレートパンチ炸裂」

摩耶「確かによーく冷えてるね。」

悠「窓が凍ってるのを見て心臓が止まりかけた」

アリス『いいよ』

悠「よくねぇっ!!」

【ローレライ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。ドイツを代表する悠久の流れ、ライン川に伝わる話なのだ。ドイツの田舎町ザクト・ゴアルスハウゼン近くの村に、ローレライという美しい娘が住んでいたのだ。それは、どんな男でも一目すれば、好きになってしまうほどの美しさだったが、ローレライには、既に心深く思い続ける青年が居たので、言い寄ってくる男たちの甘い言葉には一切心を動かされることはなかったのだ。」

摩耶「でも、実際寒さで心臓止まる人もいるらしいからね。」

悠「ヒートショック」

サタン「ヒートウェイブ?」

悠「されは技じゃねぇか」

摩耶「まぁ、ヒートショックっも技っぽい名前だけどね。」

千世子「しかし、ローレライに言い寄る男たちの中には、村の名士や、近在の領主までいて、ローレライに振られたことで、痛くプライドを傷つけられていたのだ。そこで悪意を持った男たちは教会に、ローレライが魔力で男をたぶらかす魔女に違いないと訴え出たのだ。」

累「止めて見せてよ」

悠「ふざけんな」

リリス「ちよっといいとこ見て見たぁーい」

悠「やっかましい!真の意味の一発芸になるだろ!!」

神姫「芸じゃ無くて自殺でしょ」

千世子「ローレライの魔女裁判が始まると、ローレライは自分の無実を晴らすために恋する人に証言を求めたのだ。彼なら、自分が魔女ではないことを証明してくれると信じていたのだが、青年は魔女裁判にかけられたローレライに恐れをなして、自分もローレライに幻惑されていただけだと、罪を逃れようと必死に抗弁するだけだったのだ。信じていた恋人があまりに簡単に自分を裏切り、たとえもし罪に問われなくても、今後は村に居場所がなくなることに絶望したローレライは、裁判官に自ら火炙りにするように懇願したのだ。」

摩耶「悠君、ブチャラティだよ」

悠「バラバラにって心臓の鼓動を止める!」

累「はよ、心停止はよ」

リリス「はよはよ」

アリス『はーやーくー!』

悠「やめいっ!」

千世子「ローレライは涙ながらに訴えたがね裁判官はその姿にすっかり魅了されてしまい、どうしても死刑の宣告を告げることができなくなってしまったのだ。そこで、ローレライを修道院に送る判決を下すことで、彼女の美しさをこの世に残すことにしたのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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