ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「うーさぶぶぶっー」

サタン「唾が飛んでるのだ。」

神姫「殴っていいわよ」

サタン「オラァッ……なのだ!」
ドゴッ!
悠「ぐふぁ!!」

累「……」
リリス「……」
ドゴッ!バキッ!ボコッ!
悠「いた!いてて!蹴るな!こら踏むなっ!」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。メデューサの姿は、獅子の牙を備え、毒蛇の髪を振り乱し、青銅で出来た手足を持ち、背中には黄金の翼が生えていたと伝えられているのだ。下半身が四足の獣だったとも、巨大な蛇だったともいわれているのだ。かつては女神の象徴だった瞳も、その目を見ると石にされてしまう、あるいは石のように動けなくなったとされ、どんな英雄にさえ倒すことは不可能だったのだ。」

摩耶「自動追い打ちシステム」

悠「あの悪魔ちゃんどもをどうにかしろ!!」

亘理『無理でしょ』

雨「無理無理」

摩耶「みんな諦めてる」

千世子「ペルセウスが、メデューサを倒す事ができたのも、アテナにもらった盾が鏡面の役割を果たして、直接メデューサを見なくて済んだこと、また一説にはメデューサが眠っているところを襲ったからだといわれているのだ。いかに強力な魔力を持つ瞳もなんの威力を持たず、まったくの無防備だったろうなのだ。」

スキュラ「まぁ、落ち着いてどうぞ、美味しいですよ。」
スッ

悠「お、ウナギの串焼き?あむっ、んーこぼねが……おおい?」

スキュラ「ウナギじゃなくて蛇です」

悠「へー、蛇かもぐもぐ」

亘理『まさかノーリアクション?!』

千世子「それも、多分ペルセウスの考えではなく、戦略の神でもあるアテナが授けた作戦だったのかもしれないのだ。ただ美しい髪を自慢しただけで、ここまでアテナに恨まれるとは、メデューサが、どれほど美しかったかという証拠なのだろうかなのだ。」

悠「これ串焼きよりスープとかにしたほうがいい気がする。」

摩耶「薬膳スープだね」

累「よくそんなもの食べられるもんだわ」

リリス「ほんとよねー」

悠「アイツらに言われると何かムカつく」

千世子「ペガサスとクリュサオルを産んだメデューサの血は、その後も奇怪な生き物を産み続けたとされているのだ。メデューサの首から海に滴り落ちた血は、赤いサンゴになったといい、砂漠に落ちた血は、猛毒のサソリになったと伝えられているのだ。それほど強い毒性を持っているため、逆に医学においては、上質の薬品と考えられたのだ。特にメデューサの頭部から採取した血液には、治癒力があると信じられており、ギリシャ神話に登場する医学の神アスクレピオスは、メデューサの頭の左側から血を抜いて、それを利用したと伝えられるのだ。以上、メデューサのじゅぎょーだったのだ。」
14/100ページ
スキ