ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ニンジンを千切りにして、ごま油をひいたフライパンで炒めます。卵を絡めて、しょうゆ、みりん、酒を適量かけて炒めます。全体に火が通ったらゴマを振りかけて……はい、完成ニンジンしりしり」

亘理『おいしそう』

悠「美味しそうじゃない!美味しいんだ!」

亘理『ご、ごめんね?』

悠「ええんやでー」

神姫「めんどくさい生物(なまもの)ね。」

サタン「しりしりってなんなのだ?」

千世子「沖縄県の郷土料理の事なのだ。」

摩耶「「しりしり」とは沖縄の方言だね。

悠「スライサーで千切りにする際の「すりすり」が変化した、等の説があるな。」

婀娜「メンソレータム!!」

スキュラ「リップクリームですか?」

悠「……恐らくメンソーレっていいたかったんじゃないかな」

婀娜「もぐもぐもぐもぐ」

悠「聞いちゃいねぇ」

摩耶「あだだんだからね。ほぼほぼ会話は一方通行」

悠「それは会話とは言わない」

摩耶「悠くんと一緒だね」

悠「あれー、どういうことかしらぁ。悠くんわかんないなー」

雨「そういうところだろ」

悠「あぁん?」

神姫「ちょっと口の周り汚れてるわよ」
ふきふき
婀娜「むぐー」

悠「子供か」

神姫「赤ちゃんよ」

悠「そこまで退化してるのか……」

神姫「っていうか、そうでも思わないと直視できないでしょ」

摩耶「残酷な現実」

悠「ま、まぁ、自分でトイレとか行けるだけ赤ちゃんや痴呆よりはマシだろ」

神姫「だといいけどね」

悠「……にんじんしりしり食おうか」

千世子「もうないのだ」

悠「なんでやねん。今、5.6本分のニンジンを使ったんだぞ」

霊華「もぐもぐもぐもぐ。肉はないの肉」

悠「うぎきゃーーーっ!!」

千世子「化け物にあったような悲鳴なのだ」

神姫「化け物だらけだけどね」

摩耶「むしろ悠くんが化け物」

悠「なんでやねん!あと、なんで鬼巫女がここに居るんだ!」

霊華「給食というものの噂を聞いて駆けつけてきました」

悠「夜の學校に給食はないぞ」

霊華「ないなら作れよ。私を待たせるな殺すぞ。」

悠「理不尽が服着て歩いてるような奴だな」

神姫「今、さんざん食べたでしょ」

霊華「あれぐらいで腹は膨れないのよ!!」

摩耶「常人ならニンジン5.6本食べたら膨れきってるんだけどね。」
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