ー奇談ー學校へ行こう(2)4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

冥「まぁまぁ皆さん、少し落ち着いてお茶でもどうぞですナ」

悠「いただきマンモス」

神姫「帰れ」

悠「なにもそこまで……」

メフィスト「ズズッ、ほーいいお茶デスね」

スーツ「お茶はいいですけど、この現状はよろしくない。よくよく見たらそこに居る方々は一般の方ですよね?」

悠「一般とは失礼な、特別なイケメンだ!!」

神姫「チッ」

悠「舌打ちされても気にしない!!」

摩耶「物理的にぶっ叩こう」

累「まかせろ」
ブンッブンッ!

悠「クギバット振り回してんじゃねーぞ!!」

スーツ「……」

神姫「話が進まないから黙るか出ていきなさい」

累「ちぇーいこうぜー」

リリス「いこうぜー」

神姫「……って、感じで一応いう事は聞くわよ。」

スーツ「うーむ……」

悠「っか、おれらは前からここきてるし今さら何やかんやいわれても困るんだよなぁ。それよりそっちの素性を明かせよ。ちゃんとしてるのは助手さんだけかよ。メフィスト並みに失礼だぞ。」

メフィスト「ワッツ?!」

冥「悠ちゃん、こちらの方は襖係の青北風(あおぎた)さんですナ。襖係と妖怪専門の医者を両立している立派な方ですナ。」

青北風「こちも意地悪で口酸っぱく言っているわけじゃない。集団で生活しているとなると妖魔特有の病気なども出てくるからちゃんとどういう種族でどういう生活環境をしているかなど最低限の情報管理はしておかないと困るんだよ。」

悠「それは困るな。メフィストが悪い」

メフィスト「なんデもかんデも私のせいにシないデくださーい!!」

千世子「でも、そういうのをちゃんとしとくのは連れてきた人の仕事なのだ。」

青北風「ちなみに天魔さんからはちゃんと届けられています。まぁ、大天狗さんが用意したものでしょうが……」

悠「それはそれとしてそっちとそっちの人は?」

冥「あちらは巫女兼鎮伏屋の霊華(れいか)さん、そちらはシスターのミリアさんですナ」

霊華「正直、私はここがどうなろうと何匹妖怪が居ようと悪ささえしなければどうでもいいのよ。ここに今日呼ばれたのだって顔を出すだけで賃金が入るっていわれたからだし。というか、祓うのすら面倒だから一切面倒ごとをかけずに私に金だけ払えばいくらでもいればいいと思ってる。」

ミリア「みなさん、なにかお困りごとはありませんか?疲れてませんか?痛いことは有りませんか?妖魔に悩まされていませんか?決して許せない何かがありますか?生きることが辛いですか?人生が嫌になってますか?もう楽になりたいですか?死は永遠の救済だと思いますか?」

悠「おい、どっちも妖魔よりも危ない部類の奴らじゃねぇか」

青北風「……の、能力としては凄いんですよ」

ミリア「私は貴女方を救って差し上げたいのですよぉ!救って救って救って救い尽くして差しあげたいだけなのですっ!!」

摩耶「その救いは自分の価値観を押し付けているだけのエゴイズムで自己満足なだけじゃないかな?」

ミリア「それが!?人間は私の救いに感謝し!!妖魔たちはただ私の自己満足の犠牲になればいい!幸せな人生だと誇って死ねばそれでいい!!きゃきゃきゃきゃきゃ!!」

摩耶「ちょこちゃん肝に銘じておいてね。いつだって本当の悪は善人の面をして近づいてくるって」

千世子「めっちゃ怖いのだ。」

神姫「とりあえず全員帰って、どっか別の場所で最小限の関係者だけで話し合い(殺し合い)してもらえないかしら」
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