ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「寒い」

摩耶「赤熱した甲殻のまえから離れなくなってる」

神姫「あれ、ホントに焼けっぱなしね。」

亘理『悠ちゃんあんまり近いと火傷するよ』

悠「平気平気」

累「おおっと!」
ドンッ!
がっ!
悠「……」

累「……チッ」

悠「チッ、じゃねぇだろ!なにがおおっとだわざと押しやがって!!」

千世子「来ると分かってたみたいなのだ。」

悠「そりゃそうだ。なにかしでかすに決まってる」

累「失礼ねぇー」

リリス「ホントにねぇー」

悠「コイツらは……」

亘理『ま、まぁまぁ、それよりもそろそろおイモ焼けたんじゃないかな』

悠「ああ、取ってみるか。誰か頼む」

サタン「よいしょなのだ」
ズボッ

悠「平然と手を突っこめるんだもんなぁ。」

千世子「見てるこっちがぞくっとするのだ」

サタン「このぐらい余裕なのだ。はい、芋なのだ」
ポスッ
悠「あんぎゃっー!」

サタン「あれ?」

摩耶「そりゃ今まで焼いてた芋は熱いだろうね」

悠「アホっ!アホーーっ!」

神姫「あせりすぎて罵声に捻りも何もないわね。」

サタン「ちょっとしたミスなのだ。」

悠「そのミスで火傷しかけたよ!!」

累「次は焼けた石でいきましょう」

リリス「焼けた鉄板に手を突くのは?」

悠「焼き土下座じゃねぇか!!」

摩耶「謝罪の心があればうんぬん」

悠「ねぇよ!だっておれ謝るようなことしてねぇもん!!」

神姫「色々とある気がするけどね。」

千世子「罪をたくさん背負ってそうなのだ。」

悠「なぁにをー!!」

亘理『はい、お芋食べよう!お芋!』

悠「もぐもぐ……甘い」

神姫「ほんとね、凄く甘いわ」

千世子「ほくほくあまあまなのだ!」

摩耶「でも、焼き芋って口の中の水分をかっさらっていくよね」

悠「ビスケットよりはマシだけどかなり持ってかれるな。喉にも詰まったりするし」

累「……」
ドンッ!
悠「んぐっ?!がっ……の…み、みずっ!」

累「みーちゃん」

千味「はい、ミミズ」

リリス「飲むのかしら、気持ち悪い」

悠「ぐっ!ごっ……」

スコンッ!
累「ぎゃっ!」
スコンッ!
リリス「痛っ!」
スコンッ!
千味「っ!!」

悠「!!!」
ダダダッ

摩耶「とりあえずぶん殴ってから水のみにいったね。」