ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ふー、暖かい」

千世子「なに抱いてるのだ?」

悠「湯たんぽ」

摩耶「ずいぶんとロートルな手段に出たね。」

悠「でも、暖かいんだよコレ」

サタン「なんなのだそれ?」

神姫「容器の中に熱湯をいれて暖める暖房器具の一種よ」

累「焼いた石でもいいじゃん」

リリス「ねー?」
じゅうじゅう

悠「……その赤熱したヤバい物体をどうしろというんだ」

累「抱くとか」

悠「死ぬわ!!」

摩耶「とんでもない熱は発してるけどね」

神姫「それ、落としたりするんじゃないわよ」

累「はーい」
リリス「はーい」

悠「木造だから本気で燃えるぞ」

亘理『怖っ』

千世子「火が出たらスキュラちゃんに消化してもらうのだ」

スキュラ「任せてください。いつでも水没させられます。」

神姫「いや、消化するだけであって沈めなくていいから」

摩耶「とりあえず缶バケツかなんかに入れとけば普通に暖はとれるんじゃない?」

悠「ここにあるぞ」
スッ

亘理『なんでそんなの持ってるの?!』

悠「いや、そこに落ちてた」

摩耶「ほんと何でも落ちてるね。」

リリス「よいしょっと」
ゴトンッ!

悠「……よくよく考えたらお前よくその赤熱した石を素手でもってたな」

リリス「手を闇で覆ってたから何も問題ないわ」
ブオォッ!

悠「闇ってなんだろうな」

摩耶「闇は闇でしょ」

神姫「闇はアレでしょ」

婀娜「ぶーぶー、ぶーぶー」

千世子「自動車のオモチャであそんでるのだ。」

「「「……」」」

悠「見るな見るな。取り込まれるぞ。」

摩耶「それにしても近くだと熱いね」

悠「そりゃどうなってるのかさっきからしばらくたってるのにまだ赤熱してるもんな。この石」

ベヒモス「石じゃ無いモス」

悠「石じゃない?」

ベヒモス「僕の取れた甲殻の一部モス。熱を取り込んでるからこの分だと三日は赤熱しっぱなしモス。」

悠「……芋」

亘理『え?』

悠「焼きいもしようか」

千世子「焼きいも!」

悠「亘理、管理人ちゃんから芋とアルミホイルもらってきてくれ。」

亘理『はーい!』
ズルルッ

摩耶「これだけの熱量なら肉とかも焼けそうだね。」

悠「網セットしたらイケるな。鍋もいける……鍋!鍋だー!」

神姫「うるさい」
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