ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「……」

亘理『どしたの?額押さえて』

悠「椅子」

亘理『椅子?……わぁ……画鋲がびっしり』

摩耶「しかも、よーく周りも見て退けようとして触れたらどこでも刺さるように細かく仕掛けてある」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。以前の続きからで「ダ・ヴィンチ・コード」で有名になった「イエスキリスト結婚説」の主役が、このマグダラのマリアなのだ。もちろん「ダ・ヴィンチ・コード」が最初ではなく、20世紀後半には、何人かの研究者や小説家などがこの説を唱えていたのだ。ただしどれも証拠は不十分で、推理小説などでいうところの状況証拠程度か、それ以下であることも確かなのだ。」

悠「なぁんでこんなことするかなぁ。」

累「Zzz、Zzz…」

悠「大々的に布団敷いて寝てやがるし。」

摩耶「フリーダムだね」

千味「自由は累のために、累のための自由」

千世子「ただ、歴代のキリスト教会や教皇庁などが、ある程度は意図的にマグダラのマリアを乏しめてきた経緯も見逃せないのだ。」

神姫「いいじゃない、寝てる方が大人しくて」

リリス「寝てるの邪魔したらさらに機嫌悪くなるわよ」

悠「だったらここで寝るなよって話でもある気がするんだけどなぁーー。」

千味「自由は累の…」

悠「やかましいわっ!!」

千世子「一般に娼婦とされているマグダラのマリアだが、意外なことに聖書の記述からはその証拠を見いだせないのだ。しかも、じつは聖書には、マグダラのマリアのほかにいろいろなマリアが登場するのだ。」

摩耶「悠くんがいうのは珍しい」

神姫「いつもは怒鳴られる側なのにね。」

悠「それもおかしいよな。もっとおれに優しくすべき」

神姫「嫌」

悠「……」

千世子「聖母マリアはもちろんイエスの母のことで、他のマリアとは絶対的に区別されているのだが、たとえば、現在ではマグダラのマリアが懺悔したシーンで語られる「イエスの足に香油を塗った」場面のマリアはベタニアのマリアなのだ。ほかにも香油関係のマリアは数人登場するが、それをイエスの亡骸に香油を塗ったとされるマグダラのマリアに統一した感じなのだ。」

亘理『シンプルかつ端的に「嫌」って』

摩耶「ストレートなのが一番効くんだよね。」

葛葉「心は汚れていても股間は純潔葛葉です!!」
ガバァ!
亘理『ぎゃーー!』

悠「……鼠を火あぶりに出もするかなぁ」

千世子「そして、数人のマリアを「7」という数字に置き換えて、7つの悪霊=人間の7つの大罪に当てはめようとしたと思われるのだ。はい、今日はここまでなのだ。」
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