ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「小さくダメージを与えよう」

摩耶「はい?」

悠「悪魔ちゃんに達に最初からしっかりと攻めるからダメなんだ。まずは小さくそうだな……無視から始めてみようと思う。」

神姫「ガキのいじめみたいなこと言うわね。」

悠「ひとに無視される辛さを教えてやる寸法だ」

千世子「じゅぎょーしますなのだ。前回の続きからでイエスは、その哀れな姿の女に悪霊が憑りついていることを見抜き、すぐさま悪霊を祓い「あなたの罪は許された」と宣言したのだ。こうしてマグダラのマリアは、イエスの宗派に改宗して、彼の弟子となったのだ。」

亘理『あの、プロの方からご意見があるそうです』

千味「累を無視するのは危険だと思う。」

悠「なんで」

千味「「累の声が聞こえない耳なんていらないよね~」っていいながら鉛を流し込んでくるから」

悠「そいつはやべぇな。」

千世子「マグダラのマリアは、他の弟子たちとともに、イエスが行くところへはどこへでもついていったのだ。そしていつしか、ふたりは愛し合うようになっていたのだ。あまりに二人の仲がいいので、弟子たちは嫉妬して、ある日イエスに問いただしたのだ。『なぜ、マグダラのマリアばかりかわいがるのですか?』するとイエスはこう答えた。『なぜ、私はあなた方を、彼女のように愛せないのだろうか』」

摩耶「流しこまれたことは?」

千味「気持ち良かった」

神姫「こっちはこっちでヤバい奴だわね。」

亘理『それでなんで無事なの…』

千味「累のためなら生き返るさ、なんどでも。」

千世子「イエスの宗派は、次第に勢力を大きくしていき、その結果として、伝統的なユダヤ宗派やローマ帝国から危険視されるようになったのだ。そしてついに弟子のひとり、イスカリオテのユダが、師を裏切ってユダヤの祭祀長たちに買収されてしまうのだ。祭祀長たちは、証拠をもってローマ帝国ユダヤ属州総督ピラトーに訴え、ピラトーはイエスを逮捕したのだ。ピラトーは、弟子の多いイエスを重罰に処したいとは思わなかったが、結局、イエスの行動が反逆罪ではないという証拠や証言を得ることができなかったのだ。」

神姫「狂信者って怖いわね。」

悠「世の中、おかしなのが多すぎる問題」

摩耶「悠くんを筆頭に?」

悠「ここらの連中に比べたらおれなんて天使だよ」

神姫「チッ」

悠「舌打ち…」

千世子「こうしてイエスはローマ帝国に対する反逆罪によってゴルゴタの丘で磔刑にされ、その生涯を終えたのだ。死骸は弟子たちに引き渡されて、聖母マリアやマグダラのマリアの手によって、洞窟のような墓に安置されたのだ。今回はここまでなのだ。」
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