ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

神姫「ふーーっ」

婀娜「きゃっきゃっ!」

悠「なにやってんの?」

神姫「この子、顔にフーッて風おくると喜ぶのよ」

悠「赤ちゃんかな?」

摩耶「赤ちゃんなんじゃないかな。タマゴボーロ好きだし」

神姫「何もないところで転ぶし、しかも手を突こうともせず顔から行くし、こっちがなにかアクションとらないと自分で起きあがろうとしないし」

悠「聞けば聞くほど心が切なくなってきた。」

亘理『私、なんか目の前がうるんじゃった。』

婀娜「どしたの?雑巾つかう?」

サタン「こっちはこっちで優しさのベクトルがずれてるのだ」

悠「いいじゃねぇか。優しさがあるだけ悪魔ちゃんたちなんて悪意しか見せないぞ」
バッ!

摩耶「言うだけ言ってからガードの体勢」

亘理『ある意味、パターン化できてる』

悠「…………あれ?」

神姫「そういえば二人ともいないわね。」

千世子「玩具買いに行くっていってたのだ」

悠「玩具……ねぇ」

スキュラ「ちなみになぜか工具のチラシを持っていました。」

悠「買ってくるのはノコギリかな鉈かな」

摩耶「電動ドリルかもしれない」

亘理『オモチャじゃない』

悠「っか、金はどっから出てんだろうな」

千世子「なんかカード持ってたのだ」

悠「カード?クレジット?」

ブラフマン「恐らくですが」
ズルンッ

亘理『うひゃっ!?』

悠「どっからでてきた……って、天井か」

ブラフマン「彼女たちには定期的にお小遣いを支給しています。」

悠「マジかよ。あいつらに金渡すのとかダメだろ。」

ブラフマン「その上でカードを持っていたということは……メフィスト殿のカードを抜いたんでしょうね。」

神姫「なるほどね」

悠「メフィのおっさんはそのぐらいのダメージを負うべきだからいいな。」

ブラフマン「くふふふっ」

悠「っか、お前もなんかペナルティ背負えよ。こっちは日に日に針とか刃物とかに怯えてんだぞ」

ブラフマン「現金ですか?」

悠「悪魔らしいストレートな提案だな…」

ブラフマン「手っ取り早いかつ人間はだいたいこれで納得するでしょう」

悠「だよなぁ」

摩耶「そうだねぇ」

千世子「生々しいのだ」

悠「でも、おれは金より面白いものが欲しい!」

千世子「あんちんも要求するものがおかしいのだ。」
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