ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「だれだー、ひとの椅子のうえに返しのついた針を無数に置いたのは」

累「きゃあ、コワーイ」

リリス「ホントねぇー」

悠「よし、分かってたけど悪魔ちゃんたちこっちこいヘッドソバットだ」

摩耶「すごい、これ完全に接着してあるからもし、座って立ち上がった瞬間に肉が持ってかれてたよ。」

亘理『うわぁ…』

【ナーガ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。インド神話に登場するナーガだが、現代になっても目撃者は絶えることがないのだ。別称ナークやパヤ・ナークとも呼ばれ、頭にはトサカのような飾りがあるらしく、これが、古代彫刻などのナーガと酷似しているのだそうなのだ。とくにメコン川周辺地域では、毎年のように目撃談が報告されていて、数十人が同時に目撃したこともあるため、その信ぴょう性も高いのだ。これほど左様にインドではナーガが民間信仰として今も根付いているのだ。また、この地域の祭りの最中に川の中から火の玉が吹きだしたこともあり、それもナーガが吐いた炎だといわれているのだ。」

悠「フンッ!」
ゴッ!ゴッ!
累「ぎっゃ!」
リリス「いぎっゃ!」

亘理『痛そう』

葛葉「尻肉を抉られに比べたらマシであろう」
たゆんたゆん
亘理『……』
Q子『!!』
しゅばばばっ!

摩耶「こっちはこっちで悲鳴も出なくなってる」

千世子「インドで古くから信仰されている神にナーガラージャという一族がいるのだ。この一族は、上半身が人間で下半身は蛇、いわゆる半人半蛇の神なのだ。半人半蛇と言うと、ギリシャ神話に登場するラミアと混同されるかもしれないが、ラミアは元々ポセイドンの娘で、ゼウスに愛されたがために、ゼウスの妻ヘラによって半人半蛇の姿にされた経緯があるのだ。一方、ナーガは元々蛇神であり、天気を操ることができる神としてあがめられてきたのだ。」

悠「どっせい!」
ゴンッ!
葛葉「頭蓋をやられても股間は純潔、葛葉です!」

神姫「わりと余裕あるわね」

摩耶「きっとやられなれてるんだろうね」

亘理『はーー……』
Q子『ジーーーっ!』

千世子「ナーガが女性として描かれるのは、蛇が多産であるため、多産を祈願する女性たちがナーガを崇拝するためだろうなのだ。さらに蛇は脱皮して成長したり、冬眠して春に再び現れるなど、不死や生命力の象徴としても祀られていたのだ。」

神姫「どうでもいいけど、ヤバいほど血走った眼で胸みてるのがいるわよ」

亘理『へっ?ぎゃあー!お化けぇ!』

Q子『ほっほっほぅうー!』

悠「いや、お化けて…」

千世子「そのため中国に渡ったナーガは、竜と混同されて竜王となったのだ。」

累「悲鳴ってなんであんなに耳障りの良い音なのかしら」

サタン「そんなに悲鳴が聞きたいならリボンにでも行けばいいのだ」

累「罪人の悲鳴なんて三日で飽きるわ」

摩耶「三日は楽しめるんだ」

悠「普通は精神病むんだけどなぁ」

千世子「蛇は、西洋ではキリスト教の影響で悪の象徴として認識されていることが多いのだ。エデンの園で、アダムの妻イヴをたぶらかしてリンゴを食べさせたのは、サタンに命じられた蛇(あるいはサタン自身)だったのだ。このため蛇は、腹ばいで地を這う生き物になったと伝えられているのだ。以上、ナーガのじゅぎょーだったのだ。」
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