ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/22/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

神姫「ごめんなさい。少し遅れたわね」

千世子「大丈夫なのだ。まだはじめて無いなのだ」

花描「普通に珈琲タイムしてるし」

摩耶「はい、悠くん。珈琲飲んでカッコいいひとこと」

悠「ズズッ……味わってみるか?敗北者だけが飲める苦汁(ブラック)をよ…」

神姫「……」

悠「龍剄はやめて!?」

千世子「苦汁を飲まされそうなあんちんは置いといて、今日のじゅぎょーはこれなのだ」

【オートマティスム】
世界中で行われているコックリさん?

神姫「オートマティスム(Automatism)……日本語に訳すと自動書記?」

花描「自動筆記にもなるな」

悠「本来のオートマティスムは心理学用語だな。「無意識な状態で勝手に文字を書いてしまう」って現象をさすんだよ」

千世子「魔法分野でオートマティスムというばあいは「霊を呼び寄せて自分の身体をわざと乗っ取らせて霊と交流する」という、一種のセアンスの形態を表すのだ。」

摩耶「ハンターハンターのラヴリーゴーストもこの類いだね」

悠「あの能力はたしかにまんまオートマティスムだな」

千世子「オートマティスムを行うには霊を呼ぶ必要があるのだ。当然、メディウムの参加が必須となるのだ。メディウムの身体に霊が取りつくと、メディウムの質問に対して筆談形式で霊が返事をするケースもあれば、メディウムの意志をいっさい無視して霊が勝手に文字を書き続けるケースもあるのだ。」

神姫「ヨーロッパでなにかコックリさんに似たようなのなかったかしら?」

千世子「ウィジャ盤なのだ。ウィジャ盤は、表面にアルファベットと数字、「YES」「NO」などと書かれている板のことなのだ。せっかく霊を呼び出し、身体に乗り移ってもらったとしても、霊が他人の身体を使って文字を書くのは骨が折れるかもしれない。そこで、ウィジャ盤に書いた文字を指差してもらうだけにしたほうが、霊との会話がスムーズに進むというものなのだ。」

摩耶「コックリさんて学校で禁止されたよね?」

悠「明治から怪談ブームがあって人面犬や口裂け女みたいなのが有名になって社会問題になったからな」

千世子「日本はオートマティスムの実例が多い国なのだ。「コックリさん」はオートマティスムその物なのだ。ちなみにコックリさんが禁止になった理由で有名なのは、明治時代に京都に住む女性が神霊に乗っ取られ、そのまま半紙五万枚以上にわたるオートマティスムを続けた事件があったのだ。後に、この結果をまとめたものが「大本神諭」と呼ばれる文書なのだ。」

悠「後に大本教の教典になったやつな。」
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