ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「今日は涼しかっ……いてぇっ!?」
ザクッ!

摩耶「どしたの?」

悠「なんか踏んだ!なんか鋭利なの踏んだ!」

摩耶「……なにもないよ?」

悠「ええっ、あれ?ほんとだ。なにもない。」

【モルガン】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。カムランの戦いで、逆心モルドレッドを倒したものの、自身も致命傷を負ってしまったアーサー王は、円卓の騎士の一人ベティヴェールに銘じて、宝剣エクスカリバーを泉の乙女に返すことにしたのだ。」

亘理『大丈夫?』

悠「明らかに鋭利なものを踏んだ感じの痛みがしたんだが?」

リリス「私の闇を操る能力で闇の刃を仕込んでおいたことなんてないわよ」

悠「正直な悪魔ちゃんだな。拳骨をくれてやる」

リリス「婦女暴行!」

千世子「ベディヴェールが湖にエクスカリバーを投げると、水中から女性のものらしき右腕が突き出て、剣を取り、そのまま湖の中へ持ち去ったのだ。アーサー王はそれを見届けると、小舟を出してアヴァロン島へ渡り、そこで亡くなったのだ。」

悠「やかましいわ!」

累「第一証拠がないわよね?」

リリス「血の一滴出てなければ傷もついてないわよね?」

悠「……」

摩耶「痛みだけを与えるってエグイね」

千世子「アーサー王が持ち主に不死の力を授けるエクスカリバーを持っていたにもかかわらず死ぬことになったのは、その不死の力の源である鞘をモルガン・ル・フェイが盗んでいたからと言われているのだ。」

神姫「いいからぶん殴っときなさい。妖魔相手に法律も何もはないわよ」

悠「さすがです」

摩耶「だってさ?」

リリス「やべー。やっぱり容赦ないわ」

累「あの女は危険」

千世子「またモルガン・ル・フェイは、円卓の騎士の一人で、アーサー王の親友ランスロットを誘惑するため、彼の婚約者ペレス王女エレインを幽閉したのだ。」

神姫「……」
ガシッ!
塁「ぎゅっ?!」

神姫「一度目は警告、私のことは呼び捨てでもいいから九頭竜か神姫で呼びなさい。お前とかあの女とか言ったら……投げるわよ。理解したならうなずきなさい」

塁「コクコクコクコクッ!」

神姫「オーケー」
パッ

千世子「一説には、常若の国アヴァロン島に8人の妹たちと暮らしていて、そこへアーサー王を誘ったのもモルガン・ル・フェイだと伝えられているのだ。」

リリス「怖い」

摩耶「人間でも一部の人間は本当に危険だからね?」

婀娜「危険日?」

悠「この子また突然ぶっこんでくるなぁー」

婀娜「あだたん知ってるよ!危険日にはアイスホッケーマスクの怪物が出るのよ!」

千世子「モルガン・ル・フェイは「アーサー王伝説」に登場する魔女で、「フェ」は「フェアリー」の意味で、妖精モルガン、あるいは魔女モルガンと呼ばれるのだ。アーサー王とは異父姉であり、王の人生に深くかかわる妖女なのだ。」

悠「それは確かに危険な日だわな」

摩耶「確かに危険な日」

葛葉「馬鹿だなぁー。危険日は女同士でセックスすると子供が……」

神姫「……」
ガシッ!べキィィッ!
葛葉「ぎゃあああっ!」

悠「でたーー!アイアンクロースラム!」

千世子「モルガン・ル・フェイは、北アイルランド伝説に登場する女神モリガンと同一視されることもあり、モリガンは、戦争や破壊をつかさどる女神で、鳥の姿で現れることもあるというのだ。以上、モルガンのじゅぎょーだったのだ。」
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