ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「甘いものが食べたい」

累「つまり他人の不幸が見たいと」

千世子「なんでそうなるのだ。」

リリス「他人の不幸は蜜の味」

摩耶「なるほどね。」

悠「おれは舌で味わう甘さが欲しいんだけど」

累「ニトログリセリン」

リリス「鉛」

悠「確かに甘い!」

神姫「けど、毒ね」

亘理『甘いの?!』

千世子「毒と言えば苦そうなイメージがあるけど意外と「甘い」有毒・劇薬な物質があるのだ。」

サタン「毒なんか自浄すればいいのだ」

悠「人間の自浄じゃどうにもならないから死人が出るんだよなぁ」

リリス「運が良ければ耐性がつくわよ」

悠「つけるにしても毎日少量を摂取してだな……」

亘理『忍者?』

葛葉「……」
シュババッ、ペチン!
亘理『ひゃぃっ!?』

摩耶「忍者のようなスピードですれ違いざまに尻タッチ」

葛葉「私じゃない」

悠「現行犯で否認とかすげぇ根性だな」

リリス「ああいうのは性根が腐ってるっていうのよ?」

累「まったく信じられないわ」

悠「お前らがやってることはもっと性質が悪いけどな」

累「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」

リリス「悪には悪の救世主が必要なのよ」

悠「……」

葛葉「ふはははっ!」
さわ、ぺちっ、たゆん!
亘理『そゃ、きゃっ、!助けて!』

葛葉「無駄無駄!私のスピードに追い付けるわけが……」

神姫「……」
すこぉん!
葛葉「ぐぇっ!」

摩耶「ラリアット」

悠「射線上で止まってれば勝手に向こうからぶつかる定期」

累「ワイヤー、ワイヤー仕掛けましょう!」

リリス「ピアノ線でもいいわね!」

悠「そこのサイコパスちゃんたちは道徳を学ぼうか」

累「どう……とく?」

リリス「酒池肉林?」

悠「そりゃ董卓だ」

スキュラ「こういう話があります。むかしむかし。ある国の王女さまがお城で「誕生日パーティー」を開きました。パーティーには貴族たちが列席したのですが、なぜか普通の庶民が一人招かれていました。彼は緊張しすぎでオドオド状態。当然テーブルマナーも知らず、緊張したあまりにテーブルにあったフィンガーボールの水を飲んでしまいます。「フィンガーボール」 っていうのは、食事中に汚れた手を洗う水を入れたボールのコト。で。この男を見た貴族たちはバカにして大笑い。しかしこの様子を見た王女さまは、何も言わずにフィンガーボールを掴むと、そのままゴクゴクと飲み干してしまったのでした。どうしてですか?」

婀娜「喉乾いてた!」

スキュラ「違います。」

リリス「皮肉」

スキュラ「違います。」

累「息子の葬式であの人に会えるから!」

スキュラ「問題が違います。」

「「「答えは?」」」

悠「喉が渇いていたか頭が悪いかの二択だろ」

神姫「頭が悪いのは悠よ」

ベヒモス「自分が毒を仕込んだのを隠すためあえて口にしたんじゃないモス」

悠「ここにももう一人サイコパスが……」
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