ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「台風で屋根飛ばないかなこの校舎」

亘理『さらっと怖いことを言わないで』

摩耶「飛ばないでしょ。百歩譲って雨漏りと窓が割れる程度」

神姫「その二つでも大概問題なのよね。」

雨「大丈夫よ。」

悠「誰だお前は!」

雨「……」
悠「『子供たちの思いに涙する漢!スパイダーマッ!』」

雨「裏声出してまでくだらないこと言ってんじゃないわ!!」

悠「スパイダーマッ!」

サタン「スパイダーマッ!」

千世子「スパイダーマッ!」

亘理『謎の大ブレイク!?』

神姫「で、なにが大丈夫なわけ?」

雨「嵐に備えて危なそうなところは私の糸で補修してあるから」

悠「どこから出したいと何ですかねぇ」

雨「プパァーーッ!」
ザバッ!

悠「糸を吐く攻撃って蜘蛛じゃなくてイモムシ系じゃね?」
スッ
亘理『ぎゃーー!』

千世子「余裕で避けて後ろにいた亘理ちゃんに直撃したのだ」

雨「チッ!」

亘理『とってー!』

悠「水かけるか?」

摩耶「台風の補強に使うくらいの糸なのに水は効果薄くない?」

神姫「蜘蛛の糸と言えば火じゃない?」

雨「確かに火には凄く弱い」

サタン「我なら地獄の炎を出せるのだ」

悠「……って、ことなんだけど?」

亘理『炙らないで!!』

悠「だろーね」

摩耶「ブローネ」

神姫「出した本人に任せればいいでしょ」

雨「解くのは専門外なんだけど」

悠「というか、ベヒモスにやってもらえばいい」

ベヒモス「ボクモス?」

悠「その尻尾でズバッと」

ベヒモス「……」
ぶんっ!ブォン!

亘理『私ごとキレちゃうよ!』

悠「じゃあ、爪で」

ベヒモス「……」
ジャギン!

亘理『だから平気!?ほんとにみじん切りにならない!?』

ベヒモス「大丈夫モス。多分、モス」

亘理『ひぃっ!』

神姫「……蒼龍爪」
スパッ!
亘理『……おー!!』

悠「そこで服が真っ二つには?」

神姫「私はそんなミスしないわよ」

悠「粘着質の糸に絡まって助ける。服がパラリはお約束なのに!」

亘理『がーーっガブリッ!』
悠「…………痛い」

摩耶「間があったね」

悠「えれるかなと思ったけど無理だったでござる」

摩耶「その血で償うがいい」

悠「ひぇっ」
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