ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「汗がドロップしまくる」

摩耶「ドロップどころか垂れ流しだよね。」

悠「男汗」

神姫「汚い」

悠「分かる。」

亘理『え?』

【ぬりかべ】

千世子「九州の北西にある、福岡県遠賀郡では、夜道を歩いていると突然あるはずのない壁が目の前に現れ、前に進めなくなってしまうことがあったのだ。これは妖怪「ぬりかべ」が道をふさいでいるのだ。もし、ぬりかべに遭遇してしまったら、棒で壁の下の方を叩けば壁は消え、通行できるようになるといわれたのだ。」

悠「え?」

亘理『いや、自分でいっといて汚いって結論でいいの?』

悠「男の汗はいらない。女の汗は秘薬。」

神姫「気持ち悪い」

悠「ほっこり」

千世子「福岡県の盗難にある大分県にもぬりかべは伝わっているのだ。大分県のぬりかべの正体は、狸や狐など動物妖怪のイタズラだというのだ。」

サタン「今日は一番と奇行が目立つのだ。」

悠「暑いからだよ」

摩耶「なにいってるの悠君は春夏秋冬おかしいよ」

悠「イエーイ」
パンっ
パンっ
摩耶「イエーイ」

千世子「ぬりかべは無名の妖怪ではなかったが、具体的な外見が伝わっていなかったのだ。漫画家で妖怪博士でもある水木しげるは、ぬりかべを「巨大な壁に、両目と小さな手足」という姿で描いたため、ぬりかべはこの姿で広まったのだ。しかし2007年8月、アメリカの図書館で、ぬりかべの描かれた絵巻が発見されたのだ。その絵巻には、三つ目の白獅子のような妖怪が描かれており、絵の左に「ぬりかべ」と書かれていたのだ。これが本来のぬりかべの姿というわけではないが、今まで知られていなかった、ぬりかべの新しい姿だといっても差し支えないのだ。」

亘理『謎テンション』

神姫「三連休で浮かれてるだけじゃない?」

悠「うふふっ」

神姫「イラッとするんだけど」

悠「おれの笑顔で相殺してくれ」

千世子「九州には、ぬりかべのように通せんぼをする妖怪が他にも居るのだ。九州の北に浮かぶ壱岐島には、夜の山道に突然現れて道をふさぐ「ぬりぼう」という妖怪が居るのだ。もしぬりぼうがあらわれたら、棒で叩くか一服して休んでいればいつの間にかぬりぼうは消えるのだ。ぬりかべ同様、ぬりぼうの姿も全く不明なのだ。」

摩耶「イライラが加速しそう」

悠「時は加速する」

神姫「黙らないと生命の時を止めるわよ」

悠「ひぇっ」

サタン「カッコいいのだ!」

千世子「新潟県と長野県の境にある苗場山に現れる「道塞ぎ」もぬりかべと似た妖怪だが、この妖怪の道の塞ぎ方はかなり大掛かりなのだ。この妖怪は「巨大な滝と、見上げるほどの巨大な岩」に変身し、釣りに来た老人の道を塞いだというのだ。以上、ぬりかべのじゅぎょーだったのだ。」
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