ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「今日は曇りのち雨だったな。」

摩耶「まだ梅雨ってことだね。」

神姫「暑すぎるのも困るけど、ジメジメしてるのもやだわ。」

悠「ふ、ふ、ふきふきしましょうか?」

神姫「指一本一本へし折るわよ」

【火車】

千世子「はい、じゅぎょーしますのだ。日本には葬儀のとき、亡くなった人の枕元や胸元に刃物を置く「守り刀」という習慣があるのだ。これは妖怪などから、死体を守るための武器なのだ。」

悠「おかしいな、さわやかにいったのに」

摩耶「ただの変態だった」

悠「なにをおっしゃるウサギさん」

摩耶「誰がウサギだ」

悠「美兎」

千世子「火車は、葬式の式場や墓場などに現れて死体を奪っていく妖怪なのだ。暗雲とともに現れた火車は、嵐を起こして棺桶の蓋を吹き飛ばし、死体を奪うというのだ。火車の出現は、死者が生前に罪を犯した証拠とされ、人々はそれを恥ずかしいことであると考えていたのだ。」

亘理『確かにウサギだ』

悠「うさぎだろ、バーニーガーール!

神姫「やかましい」

サタン「首を食いちぎってくるのだ」

悠「そのバニーさんはお帰りください」

千世子「火車の正体は、年を取った猫が妖怪化したものとされることが多く、江戸時代の妖怪画家である鳥山石燕の「図画百鬼夜行」でも二本足で立つ猫のような姿で描かれているのだ。そのため、同じく猫が妖怪に変化した、猫又などと同じものとみられることもあるようなのだ。」

悠「兎って怖いよな」

摩耶「ボーパルバニーが特殊なだけだけどね」

悠「トラウマモンスターだわ。」

神姫「レッドピラミッドシング」

悠「△サマはトラウマってよりももはやカッコ良さが目立つ」

千世子「鹿児島県の一部では、火車は「キモトリ」と呼ばれるのだ。キモトリは死体を奪うのではなく、墓場に現れて死体を掘り、肝を取って食ってしまうというのだ。」

神姫「ギガンテス、ブリザード、デビルロード」

悠「ただでさえ長い洞窟なのになんで厄介なのが三匹も存在するんですかね。」

摩耶「たかだか、高耐久と即死連発と自爆じゃないかー」

悠「どれをとっても大問題なんですがねぇー」

亘理『即死対策とっとけば…』

千世子「本来、火車とは妖怪ではなかったのだ。「火車」とは仏教の言葉で、罪人の魂を地獄へ連れていくための燃え盛る車のことを指したのだ。」

悠「ねぇよ!そんなもん!」

摩耶「ドラクエって即死対策装備少ないよね。」

悠「あれじゃユウナレスカにオーバーデスされたら確実に全滅だぞ」

神姫「作品が違う」

悠「即死対策忘れてて普通に全滅した思い出の数々」

千世子「この火車は、時代が下がっていくにつれ、まるで伝言ゲームのように特徴が変わって行くのだ。室町時代には、乗物の「火車」だけでなく、それを引いている地獄の鬼も「火車」と呼ばれるようになり、罪人や、罪人の死体を地獄へ攫っていく存在とみられるようになるのだ。」

摩耶「思いで×、トラウマ○」

悠「なにがムカつくってオーバーデスタイミングで召喚獣出して防いで倒されて、ちょうど召喚獣がいなくなった時点で狙ったようにオーバーデスされたとき。」

摩耶「隙を生じぬ二段構え」

悠「ファイナルアタックじゃないんだから」

千世子「さらに江戸時代になると、火車は猫股などの化け猫と混同されるようになるのだ。猫は昔から間に近い動物と考えられ、死体に悪さをすると考えられていたのだ。もともと「猫を死体に近づけてはいけない」と信じられていたこともあり、火車も猫のような姿の妖怪として伝わるようになったのだ。

神姫「キングベヒーモス」

摩耶「ねむれるしし」

悠「メテオどもは引っ込んでてください」

摩耶「震えて眠れ」

亘理『永眠だけどね』

千世子「さらに火車は、死体の肝を喰らう中国の妖怪「魍魎」とも混同されるようになるのだ。その結果、鹿児島県などでは「キモトリ」のように死体を食う妖怪として伝えられることになったと考えられるのだ。以上、火車のじゅぎょーだったのだ。」
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