ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/19/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

千世子「ムスー……」

悠「ぴよこ怒ってるよ」

花描「あれだよな。きっと学生が授業聞いてくれない精神をまともに受けたんだもんな」

悠「教師のストレスがたまるってのもわかるな。あ、知ってるかキャバクラとかで酔ったら癖の悪い職種ベスト3は1位は教師、2位医者、3位坊さんらしいぞ」

摩耶「なに情報?」

悠「キャバクラの姉ちゃん情報」

神姫「普段、どういうお店にいってるかよくわかるわね」

悠「誤解ないようにいっとくけど!拳二っーう、オッサンに無理矢理連れられてだからな!おれ自らのそういう店にいってるわけじゃぬぇから!」

摩耶「うん。知ってるよ。お金ないからでしょ」

悠「そうだ。」

神姫「あったらいくわけね。」

悠「どうかなぁ、ゲーセン行きたいしなぁ。あ、そうだ。がしゃどくろっうゲーセンにさかなり濃いゲーマー少女が…」

花描「ピエロくん、ピエロくん。ピエロくんが話し上手なのはわかるけどさ、とりあえずあっち頼むわ。」

千世子「……」

悠「うーむ……千世子」

千世子「なんなのだ…。」

悠「今度、店来たら好きなものご馳走してやる。っか、できる範囲の物なら作ってやるよ」

千世子「やったー!千世子、おっきいおまんじゅうが食べたいのだ。」

「「「軽っ!?」」」

悠「よし、わかった。ならじゅぎょー始めてくれ」

千世子「錬金術師たちの研究手法が「科学実験の試行錯誤」だったのに対し、カバリストたちの研究手法は「書物の解読」だったのだ。カバリストたちの求める秘術は、旧約聖書をはじめとするさまざまな文章で、すべて語られているのであるのだ。」

神姫「ヒソヒソ(悠は子供の扱い上手いわね)」

摩耶「ヒソヒソ(悠くんが子供だからね)」

花描「ヒソヒソ(なるほど分かりやすく納得だ。)」

悠「……(なんか失礼なこと言われてる気がする。)」

千世子「ただし、それらの秘術は暗号化されているため、普通の人にはわからないのだ。だからカバリストたちは暗号を読み解くことに全力を注いだのだ。錬金術師のように実験を繰り返す必要はないのだ。暗号さえ解くことができれば、人工生命を作る方法は確実にわかるのだ。」

摩耶「なるほどね。」

花描「カバリストの目的は秘術の開拓だしな」

千世子「カバラの術で作られる人工生命は「ゴーレム」と呼ばれるのだ。彼らのゴーレムは生物というよりむしろロボットに近いものだったと考えられているのだ。つまり、カバリストの中にもごく少数ながら「カバラの秘術を読み解くことに成功し、ゴーレムを製造した」と伝えられる者が存在したのだ。今日はここまででまた次回なのだ。」

摩耶「うん。うん。機嫌が良くなってよかった。」

悠「子供相手ならこのくらいはうまくいくんだがなぁ。これが女なんかだと、なぜか余計不機嫌になるんだよな」

神姫「それぐらい発言と行動が生理的に受け付けないんじゃない?」

悠「ひでぇいいかた……」

花描「否定しろよ。」
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