ｰ教室(3/18/夜)ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「なぁ」

神姫「なに？」

悠「ビンタとかはともかくさぁ、ブレインバスターは無いだろ。床に突き刺さるとか一生に一回あるか無いかの行為だぞ」

神姫「くだらない下ネタいうからよ。」

悠「下ネタの代償がブレインバスターって……一日二回が限界か…。」

摩耶「下ネタをやらないじゃなく、ブレインバスターを受ける方を選ぶんだ」

花描「バカだけど、潔いバカだな」

悠「愛すべきバカだなんて照れるなぁ」

神姫「次はジャイアントスイングね。」

悠「それは椅子とかある場所でされたら死ぬからマジで…」

千世子「じゃあ、悠のあんちんが突き刺さる前にじゅぎょーを始めるのだ」

悠「毎回、毎回突き刺さりはしないから」

千世子「魔法を使った生命創造の代表といえば、錬金術の「ホムンクルス」なのだ。錬金術ではさまざまなホムンクルスが作られた……といわれているのだ。それらはすべて人間の姿をしておいら、しかも必ず「こびと」のように小さいことが共通点だったのだ。」

摩耶「通常の人間と同じサイズじゃないの？」

千世子「それは作れないらしいのだ。中世ヨーロッパには、ホムンクルスの製造に成功したといわれる錬金術師が何人か存在するのだ。」

花描「その製造法ってそんなに有名で一律なのか？」

千世子「ところが不思議なことに、皆、製造法方がバラバラなのだ。「賢者の石」を使う方法から、人間の血液を蒸留して作る方法、鶏の卵に人間のせ……えき…を注入する方法など、まさに千差万別なのだ。」

神姫「……」

悠「……」

摩耶「耐えた。悠君耐えた。」

千世子「しかし、どの製造法にも共通していえるのは「他人が同じ方法を真似してみても、ホムンクルスは決して作れない」という事実なのである。」

悠「ふむ、トンビが鷹を産むみたいなもんだな。」

摩耶「意味が通ってないよ」

花描「というか意味がわからない。」

神姫「はぁ…」

悠「おおぅ…そのジト目はけっこう好きだ。」

千世子「中世ヨーロッパ、錬金術師たちが必死になってホムンクルスの製造法方を模索していたころ、カバリストたちも人工生命の製造法を研究していたのだ。」

悠「人工生命の研究ったらミハイルのバカもしてたな…」

花描「え、マジで…」

悠「あぁ、アイツはマッドサイエンティストはマッドサイエンティストだが。その中でも機械、薬品の部門で薬の実験により人間に近い、人工生命を作ろうとしてた話を聞いたことがある」

摩耶「成功……したの？」

悠「怖くて聞けなかった。なにせ、あいつはバカだけど、やや不可能がないバカだから嫌なんだ。金のためなら何でもするし…」

神姫「それ、色々とまずくない？」

悠「まぁ、そのかわり大抵あいつの金もうけは失敗するからな。」

千世子「……じゅぎょーをきけー！なのだああぁーー！」

「「「あ、はい。すいません。」」」