ー奇談ー學校へ行こう(2)3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「暑くなってきてほんと薄着ガールが増えてきたよな」

摩耶「男もだけどね」

悠「それは見ない」

神姫「なにも見えなくしてあげましょうか?」

悠「いやだぁー!!」

亘理『そんな必死に……』

悠「いや、目だから必死にもなるから」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。前回の続きからで金長が結婚を断り六右衛門狸はこれを「六右衛門狸の手下にはならない」という意思表明だと考えてしまったのだ。六右衛門は若く才能のある金長が自分の敵となり、一族を滅ぼすのではないかと恐れたのだ。そこで六右衛門狸は、地元で帰ろうとする金長に数十匹の刺客を送り込むのだ。金長を愛していた六右衛門の娘のおかげで襲撃を察知した金長は刺客を倒すが、この襲撃で弟分を殺されてしまった金長は、弔い合戦を決意したのだ。」

悠「みんな駒狸さんみたいな狸だったら平和なのに」

神姫「駒狸は狸ではないわよ」

摩耶「駒狸汁でドーピングマッスル狸集団が完成するんだね」

亘理『ドーピングマッスル狸!?』

悠「普通にゾッとするな。」

千世子「戦いを決意した金長狸の元には、日ごろから六右衛門狸をよく思っていなかった大勢の狸たちが集まったのだ。その中には、六右衛門が一目置くほどの権力を持ち、返信が得意だった「庚申新八」や、合戦では輸送隊として活躍した「四輪狸」、美人に化けるのが得意なメス狸「お松」などがいたのだ。」

悠「ほほう、美人」

亘理『ガブッ!』

悠「おのれぇっ!!」

神姫「頭じゃ無くて首いきなさい、首」

サタン「どーみゃくってやつを狙うのだ」

悠「ガチはらめぇ!!」

千世子「一方、六右衛門側にも、軍師として活躍した「葭右衛門」、大将をつとめた「権右衛門」、六右衛門狸の息子「千住太郎」などがいたのだ。阿波狸合戦に参加した狸は約600匹といわれているのだ。まさに四国中の狸たちが集まった一大決戦だったのだ。」

亘理『悠ちゃんの首すじ……じゅるっ』

悠「おい、やめろ」

摩耶「コリコリした血管をブチッと」

悠「ディオー!!」

神姫「うるさい」

悠「ごめんちゃい」

千世子「金長狸と六右衛門狸の両軍は徳島県の東部を流れる勝浦川を挟んで対峙するのだ。戦いは壮絶なものとなり、多くの狸たちが命を落としたのだ。死んだ狸の死体で、川の底が見えなくなるほどだったといわれているのだ。この戦いの決着は、金長が六右衛門狸をかみ殺したことで、金長狸に軍配が上がったのだ。しかし、重傷を負った金長もほどなくして死んでしまったため、実際は痛み分けだったといえるのだ。今回はここまでで続きは次回なのだ。」
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