ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/15/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「やっぱりさぁ、おれは死んだら生き返りたくないなぁ。」

神姫「誰も生き返らせないから安心しなさいよ。即焼き場よ。」

悠「わぁい…。」

摩耶「まぁ、死なないけどね。特性不死だし。」

悠「持ってねぇよ。」

花描「特性道化だよな。」

悠「ちょっと待ってくれ否定材料探すから」

千世子「長くなりそうだから今日のじゅぎょーにはいるのだ。」

【リインカーネーション】死んでも必ず戻ってくる

悠「待て。もう少しで否定材料が見つかるはずだから。」

千世子「他人を生き返らせる術が「リジェネレーション」なら、自分が生き返る術は「リインカーネーション(reincarnation)」なのだ。」

神姫「日本語では転生ね」

千世子「なお、昨日もちょっといったけど、同じ肉体を使ってそのまま生き返る場合は「リザレクション(resurrection)」別の肉体に生まれ変わる場合(いわゆる来世への転生)は「リインカーネーション」と、言葉を厳密に使い分けるケースもあるのだ。ちなみにキリストの復活は、必ず「resurrect」と表現されるのだ。」

摩耶「同じ肉体にそのまま生き返るのは強くてニューゲームみたいな感じかな。」

花描「ディスガイアは完全にリインカーネーションだな。転生だし」

千世子「ヨーロッパの錬金術師たちは、不老不死の実現を目指す過程で、こうした「肉体の復活」を研究する者も数多くいたのだ。錬金術師たちが求めていたのは「他の身体への転生」ではなく、あくまで「自分の身体を使った復活」だったのだ。」

神姫「強くてニューゲーム状態のが難しかったのね。」

千世子「歴史的に見ていくと「他の肉体に生まれ変わる」という考え方自体は、魔法とは関係なく非常に一般的な話なのだ。」

神姫「どこが?」

千世子「「輪廻」の考え方がベースとなっている仏教などでは、「みんながみんな転生を繰り返している」といえるのだ。」

神姫「なるほど…輪廻転生ね」

千世子「ただ、普通の宗教文化における「輪廻」では、前世の記憶が来世に引き継がれることはないのだ。せいぜい引き継がれるのはカルマ(罪)くらいのものなのだ。」

悠「負債のみは嫌だな。」

千世子「前世の記憶がすべて失われてしまうなら、生き返ったとしても意味がないのだ。だから魔術師たちは「あくまで自分の身体を使った復活」にこだわり、研究を続けたのだ。なお、例外的なケースとして、前世の記憶を維持したまま他の肉体へ転生する人物もいるのだ。そのひとりがチベット仏教のダライ・ラマなのだ。彼は前世の記憶をすべて引き継ぎながら転生を繰り返してきたといわれるのだ。」

悠「どうでもいい話なんだが。近年チベット問題で揺れる中国では、2007年から「無許可での転生を禁じる法令」が実行されてるんだぞ」
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