ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

揺光【おかしな天気じゃな。】
揺光【曇っていたと思えば】
揺光【昼間は晴れて】
揺光【今は雷雨】

悠「なんで分身してる」

揺光【……】
揺光【……】
揺光【……】
揺光【……】

摩耶「沈黙」

揺光【どれ、もどれもどれ】
ずるるっ!

悠「戻り方が怖い」

亘理『分身ってああやって戻るもんなの?普通煙みたいに消えるんじゃ……』

揺光【それもできる】
揺光頭【できるぞい】

悠「中途半端に頭だけ残すな押し込め押し込め」

揺光【地獄は偏在しとるんじゃ】

悠「そういうのはコイツの役目だから」
ガシッ、ズルルッ
ラヴクラフト「……」

摩耶「自分の影からおっさんの頭引っ張りだしてるのはどうなの?」

悠「最近できるようになった。ただし、1日1回1分だけ頭部の出し入れだけしかできない」

神姫「なんでもいいけど引く」

千世子「目をかっぴらいてて怖いのだ」

悠「問題ない。寝てるし。」
ズブッ

亘理『寝てたの!?』

悠「あんまり気にするな」

揺光【妾も長く生きとるがそれだけは得体が知れんわ】

悠「コズミックホラー」

摩耶「今さらだけど直に触れて平気なの?」

悠「あとでファブっとくわ」

千世子「最近は幽霊とかもファブリーズでお祓いできるらしいのだ」

神姫「ブァブリーズ謎万能説」

揺光【ふぁぶってなんじゃ。虫好きの博士か?】

悠「それ、ファーブル。消臭スプレーだよ」

揺光【ほー】

悠「はい、興味なし」

摩耶「それで結局、揺光さんはなんで増えてたの?」

揺光【あー、実はの……出しっぱなしになっとったんじゃ】

悠「は?」

揺光【適当に分身をしたままで放置した分身が適当に帰ってきたんじゃ】

摩耶「適当に分身して放置してても平気なんだ」

揺光【昔放置しすぎて殺された分身もいたが平気じゃったな】

悠「まぁ、分身だからな」

神姫「普通意思疎通とかしてないの?」

揺光【できるがめんどい。】

悠「めんどいって」

千世子「ぜんぶ戻ってきたのだ?」

揺光【さぁ】

神姫「色々と適当過ぎでしょ」

揺光【今戻ってきたのも数百年自由にしていた分身たちじゃからな】

悠「数百年もなにしてたんだ」

揺光【温泉に入ったりとか】

悠「もういいわ」
96/100ページ
スキ