ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「赤い狐と緑の狸、ずぞぞっ」

摩耶「でも、食べてるのは?」

悠「U.F.O!」

千世子「ひと口ほしいのだ」

悠「めぐんでやろう。」

亘理『狸は青だよね?』

神姫「ドラえもん?」

【白面金毛九尾】

千世子「じゅぎょーしますなのだ。人間に害をなす妖怪は数多くいるが、この妖怪程スケールの大きい活躍をした大妖怪はまずいないだろうなのだ。インド、中国、日本をまたにかけ、二つの王朝を亡ぼし、1000人以上の国王を殺そうとした大悪党なのだ。その名も「白面金毛九尾」。九尾の狐、玉藻ノ前などといえばピンっと来る人も多いだろうなのだ。」

揺光【妾がきた】

悠「オールフォーワンかな?」

摩耶「オールフォーキュウビ」

揺光【油揚げのような香りがしたんじゃが】

悠「焼きそばしかねぇぞ」

千世子「白面金毛九尾は、長生きした狐が妖力を手に入れて妖怪になったものなのだ。その名の通り金色の毛皮を持ち、顔の部分は白いというのだ。ただし白面とは単に美人であることを表現するための呼び名で、顔が白いというわけではないという意見もあるのだ。そして最大の特徴は、9本も生えた尻尾なのだ。」

揺光【刻んだ油揚げをいれたらどじゃろう?】

悠「いや、うまいと思うけど今は無い」

揺光【油揚げのひとつやふたつもっとるじゃろ】

悠「もってねぇよ!逆に常に油揚げをストックしてるってなんだよ!」

摩耶「油揚げスキーかな」

千世子「白面金毛九尾の最後の物語を描く「玉藻の草紙」に登場した白面金毛九尾は、尻尾の中には先端に赤い針があるものが一本、白い針があるものが一本混ざっているのだ。そして額には光を発する玉が埋め込まれているというのだ。」

悠「マジで?」

揺光【槍でも刀でもなんでも尻尾から出せるが?】

神姫「針より厄介ね。」

亘理『玉は?』

揺光【昔つけていたような、ないような……宝玉ならいくらでも持っとるが】

千世子「彼女の持つ能力は、変身能力を手に入れた「妖狐」の一般的な能力と変わらないのだ。まず彼女は、狐の姿から絶世の美女に変身することができるのだ。この美貌で男を誘惑し、肉体関係になると、白面金毛九尾は性行によって男性の精気を吸い取り始めるのだ。精気を吸われた人間は徐々に弱っていき、やがて死んでしまうのだ。ほかにも、暗闇中で光を放ち、大きな部屋一面を明るくしたという伝説も残っているのだ。この光は彼女が持つ光の玉から発せられるもののようなのだ。」

悠「後楽は化けるのドへたくそだけどな」

揺光【あやつは兎にも角にも楽をしたい生き物じゃからな。化けてだますよりも口先八寸でだますんじゃ】

摩耶「典型的な詐欺師」

悠「狸である必要もないよなアイツ」

揺光【狸と狸妖怪からの風評被害の権化じゃな】

千世子「白面金毛九尾が日本で死んだのは西暦1155年の事だといわれているのだ。玉藻ノ前は紀元前11世紀、中国最後の王朝「殷」の時代にはすでに妖狐としてかつどしていたというから、最低でも2200年は生きた狐だと言ことになるのだ。これほど長生きな妖怪もなかなかいないのだ。今回はここまでなのだ。」
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