ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「クンクン」

千世子「どしたのだ?」

悠「なんか……匂う」

摩耶「仁王?」

悠「そうじゃなくて匂い。なんか甘いような匂いがする」

亘理『……私かな!』

悠「なんの匂いだろうな。お菓子……いや、もっと自然な」

亘理『無視はやめてよ!!』

摩耶「あ、これじゃない?」
スッ
悠「くんくんっ……あ、これだ。なんだこの油みたいなの」

摩耶「食用ガマ油」

悠「うわぉ…」

神姫「もってたのね」

摩耶「結構いいよこれ」

千世子「使ってるのだ?」

摩耶「昨日餃子焼いたけど使い勝手よかったよ。市販の油みたいにギトギトしてなくて」

悠「マジか……摩耶の勇気にあこがれるわ」

摩耶「というか、悠君も持って帰ってたよね」

悠「ポケットにねじ込まれてて持って帰らされたな。使ってないよ。だって、あのガマ仙人のガマ油ってだけで不安だったもん」

摩耶「なんでみ疑っちゃだめだよ」

亘理『身体へいき?』

摩耶「うん、いつもと同じ」

悠「っか、こんな甘い匂いするんだな。食用ガマ油……」

神姫「特別製なんじゃない?」

サタン「なめてみるといいのだ」

悠「油なめるって化け猫かよ」

冥「ニャ?」

悠「やーん、かわいい化け猫ちゃん!しっぽ触らせてー」

冥「……」
ザシュッ!ザシュ!
悠「いたい……」

摩耶「きれいな升目」

亘理『ガジガジ』
悠「さらに追い打ち……」

冥「ガマ仙人さんの油は天然100パーセントですから体にいいですナ。ぺろぺろ」

千世子「なめてるのだ」

神姫「まぁ化け猫だし……ね?」

サタン「油なめておいしいのだ?」

冥「スプーン一杯の油は美容にいいですな」

亘理『ごくんっ』
サタン「ごくんっ」

悠「躊躇なくいったな」

神姫「それってオリーブオイルの話よね。食用ガマ油でも効果あるの?」

亘理『ブッ』
サタン「ブッ」

悠「テンプレ反応」

亘理『あ、でも……普通になんかおいしいかも』

サタン「確かになのだ……」

千世子「おいしてのだ?」
そぉ
神姫「おなか壊すからやめときなさい」

悠「そうだな。そのまま油なめるのはよくはないわな」

亘理『なんでそういうこというの!』

サタン「ほんとなのだ!」

悠「お前らは妖怪だから平気だろ」

サタン「魔王なのだ!」

悠「なおさら油なめた程度では腹壊さんだろ」
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