ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『寒いのに暑い』

悠「人工的にじゃなく、その言葉が現実で実現するとはな」

摩耶「夜から朝までは雨降ってて昼間はカンカン晴れ」

千世子「おかしな天気なのだ。」

悠「可笑しけりゃ笑え」

【猫又】

千世子「あんちんは無視してじゅぎょーしますなのだ。ペットが長生きするのは、飼い主にとってうれしいことなのだ。しかしあまり長生きしすぎるのも考え物かもしれない……特に猫の場合はなのだ」

悠「無視された」

神姫「そらそうよ」

悠「犬又とかって聞かないよな」

悠「犬は頭が増えてケルベロスになるんだろきっと」

神姫「一気に魔物化が進むのね」

千世子「猫又(猫股とも書く)とは、長い年月を生きて神通力を手に入れ、妖怪となった猫のことなのだ。猫がどのくらいの年月をかけて猫又になるかは、伝わる地方や物語によって違うが、早くて10年、長いと100年が必要だといわれているのだ。」

摩耶「悠君は何年生きると化け物になるの?」

悠「ならないよ」

神姫「既に化物だものね。」

亘理『そなのっ!』

悠「ちゃうわい!」

千世子「猫又の外見的特徴は、尻尾が2本になる、または尻尾の先が二又になることなのだ。猫「又」という名前も、この二つに分かれた尻尾に由来しているのだ。」

悠「尻尾が二本だと切断が二倍だな」

摩耶「モンハン脳」

サタン「魚はどうなるのだ?」

悠「……触手とかが生えるんじゃね?」

摩耶「魚からイカかタコになるのかな?」

千世子「猫又になった猫は、人間の言葉を話せるようになる。その他にも念力を使ったり、火の玉を作ったり、人間に変身できる猫又もいるようなのだ。そして猫又はこの能力を使って悪事を働くのだ。その悪事はイタズラ程度で済むこともあれば、人間を食い殺して犠牲者に化けるという恐ろしい猫又の話も伝えられているのだ。」

悠「猫耳系美少女にならちょっとぐらい噛まれてもいいわな」

亘理『がじっ!』
悠「……」

摩耶「天井下り系女子にガッリ噛まれるのは?」

悠「痛い」

く世子「しかし猫又の中には、、主人に忠義を尽くす良い猫又もいるのだ。江戸時代末期の大阪には、飼い主の娘に憑りつこうとした妖怪と戦い、相打ちになって死んだ猫又の伝承があるのだ。猫股が主人である大名家の仇を討った「鍋島猫騒動」も有名なのだ。」

悠「うちのマリオも恩を返してくれるだろうか」

摩耶「でも、主従関係はマリオのが上だよね。」

悠「ああ、そうだった」

亘理『それでいいの?!』

悠「しかたない、事実だから」

千世子「飼い猫を猫又にしたくない場合、その猫を飼う前に「お前を○年飼うつもりだ」と伝えておけばいいのだ。こうすれば、約束の期間が来たとき、猫の方から自然と姿を消してくれるのだ。同じ猫を長期間飼わなければ、猫又になる心配もないのだ。」

悠「そんな打算的な飼い方嫌だな」

摩耶「死ぬまで飼うつもりっていっといて死んだ後は食ってもらえばいいんじゃない?」

悠「ありだな」

スキュラ「猫葬ですか?」

悠「鳥葬とどっちがきついかな」

千世子「世界中に知られた、日本固有の猫の品種「日本猫」は、尻尾が短いことが最大の特徴なのだ。ところがこの「日本猫」という品種が生まれたのが、猫又のせいだということはあまり知られていないのだ。」

神姫「きついのはその参事を処理する側でしょ」

悠「ははっ、ですよねー」

摩耶「きっとそのうち宇宙葬とかも普通になってくるんだろうけどね」

悠「火星とか水星とか選べるんだろうか」

神姫「ブラックホールか太陽に突っこませたら後腐れなく処理できるわよ」

千世子「江戸時代後期ごろ、庶民の間に「尻尾の長い猫は猫又になる」という迷信が広まったのだ。古くから日本には、尻尾の短い猫がわずかに生息していたので、猫股を恐れる江戸時代の庶民は尻尾の短い猫をもてはやしたのだ。その結果尻尾の短い猫は、人間に餌をもらって爆発的に数を増やしたのだ。こうして日本には、ひとつの品種になるほど多くの「尻尾の短い猫」が生息するようになったのだ。以上、猫又のじゅぎょーだったのだ。」
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