ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(3/14/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「人間は生の執着が強いよな。」

花描「まぁ、普通の人間は生きたいのは当たり前だろ」

神姫「というか、死にたい奴は死んだらいいんじゃない?どうせ死にたがりな程、死なないんだから。」

摩耶「きついけど正論だね。」

千世子「生きていた方が楽しいことがいっぱいなのだ。じゃあ、今日のじゅぎょーなのだ」

【リジェネレーション】
死者を復活させる奇跡

悠「リジェネレーション(regeneration)は日本語で再生の意味だな。」

千世子「そうなのだ。魔法分野では主に「死者の復活」の意味で使われるのだ。」

摩耶「はいはーい、ちょこせんせー。リインカーネーションとは違うの?」

千世子「リインカーネーションは術を使う本人が死んでから復活する場合なのだ。他にもリザレクションというケースもあるのだ。」

神姫「ふぅん。じゃあ、リジェネレーションは?」

千世子「リジェネレーションの方法は「本当に死者を生き返らせるケース」と「死体を死体のまま操るケース」の二種類があるのだ。いずれの方法も、世界中に多くの例が存在するのだ。つまり、それだけ人間の生への執着が強いことを意味しているのだ。」

悠「しかし気に入らんな。」

花描「なにが?」

悠「人間は死ねるから儚く強いもんだろ。それを生き返らせるのはなぁ。」

花描「不条理な死を塗り替えたい。大切な人に無くしたくないっーのもわかるだろ。」

悠「まぁな…。」

千世子「ただ、魔法の力をもってしても、本当に死者を生き返らせることは、やはり難しいのだ。キリストが信徒を生き返らせたエピソードなのどはあるけど、歴史的にみると成功例は極めて少ないのだ。」

摩耶「悠くんの場合は首さえ残ってたら再生するから大丈夫だよね。」

悠「おれはなに?DIO?DIO様なの?それとも覚醒ニードレス?」

千世子「中世ドイツの魔術師「アグリッパ」はリジェネレーションに成功したとも言われているのだ。けど、完全に生き返らせたわけじゃなく、一時的に復活させただけだったのだ。」

摩耶「そういえば、中国には、香をたいて煙のなかに死者を呼び出す「反魂香(はんごうこう)」という魔術が存在するよね。」

千世子「あれは実際に肉体を持った状態で復活させたのか、あるいは「死んだ人の霊」を呼び出しただけに過ぎなかったのか、はっきりとはわかってないのだ。ただ単に霊を呼び出しただけなら、リジェネレーションじゃなく、降霊や口寄せ、召喚といった言い方になってしまうのだ。以上、リジェネレーションのじゅぎょーだったなのだ」
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