ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「なんか肌寒いな」

千世子「昼間は温かかったのだ」

悠「これは……妖怪の仕業だ!」

摩耶「まぁ、そういう妖怪もいるだろうけどね」

義鷹「寒いのは関係ないが、珍客なら来てるぞ」

悠「チン客?」

神姫「……」
ゴッ!
悠「ヴっ!」

千世子「妖怪のお客さんなのだ?」

義鷹「妖怪……まぁ、怪異だな。メフィストの客人だが」

悠「おっさんの客ってだけで胡散臭く感じる不思議」

メフィスト「聞こえてマスが?」

悠「聞こえるよにいっとんじゃい!!」

メフィスト「オーマイゴッド!!」

摩耶「悪魔がオーマイゴッド?」

サタン「今のは無いのだ」

メフィスト「それより、皆さん、見てくださいコレ」

【包帯で巻かれた物】

悠「なんだこれ、ミイラ?」

メフィスト「正解!ミイラの右腕DEATH!」

悠「正解かよ!!」

メフィスト「今シがた購入シたものデース」

千世子「ミイラなんて誰からかったのだ」

メフィスト「どうぞ、入ってくださーい。アヌビスさん」

アヌビス「失礼」

悠「うおっ!アヌビスだ!まんまアヌビスだ!」

アヌビス「どうも、エジプトからきました」

神姫「エジプトにも妖怪っているのね…」

アヌビス「私は一応ヨウカイではなく神物なのですが」

サタン「それがミイラ売ってていいのだ?」

アヌビス「今の時代、お金は大事ですからね」

摩耶「世知辛い」

アヌビス「そうなんです。ですが、こうして太いお客さんもいますからありがたいものです」

メフィスト「Hahaha」

千世子「あのミイラはどうするのだ?」

アヌビス「薬にしてもいいですし、観賞用でもいいですね」

神姫「観賞って…」

メフィスト「薬だなんてとんでもないデス!このミイラは呪いのミイラなんデスよ!!」

悠「そんなものを見せびらかすな!」

摩耶「悠くん触ってみて」

悠「なんでやねん!」

アヌビス「よろしければ、いかがですか?全身揃ったものもお取り寄せできますよ?」

悠「マネキンじゃないんだからな」

千世子「ミイラを売る仕事だけしてるのだ?」

アヌビス「いえ、ミイラづくりも得意ですよ」

摩耶「悠くん」

悠「死んじゃうだろ!!!」

アヌビス「よかったらご連絡ください。これ、名刺です」

悠「名刺まであるのか」