ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「雨なのだ」

摩耶「雨だねぇ」

悠「……」

亘理『悠ちゃんどうしたの顔色悪いよ?』

悠「あそこ見てみ…」

亘理『どこ?』

悠「あそこ、窓の中央よりやや左」

亘理『んん?なに?』

悠「馬鹿、奴の幼体がいるだろう!!」

亘理『はい?!』

摩耶「……ああ、ナメクジの子供ね」

亘理『…………ちっちゃ!?よく見つけたね』

悠「存在感がありすぎるだろ」

千世子「小さくて雨降っててしかも窓の外側なのに存在感も何もないのだ」

神姫「嫌いなものほどよく目につく真理ね」

悠「ドラゴンボールがあったらナメクジという存在を消してもらうわ」

摩耶「盛大だけど小さい願い」

サタン「別に襲い掛かってくるわけでもないのに怖がり過ぎなのだ」

悠「採血とナメクジとしいたけは苦手なんだ」

神姫「椎茸食べながらナメクジを眺めつつ採血したらいいのに」

悠「超拷問!!」

摩耶「血を抜く実際拷問だけどね」

スキュラ「ですが、適度ならナメクジを見る以外は健康になりそうですけどね、椎茸を食べて適度な献血」

悠「毒食って命を吸い取られてるのに」

千世子「捉え方次第でこうも違うのだ」

悠「心が震える…」

摩耶「震える銀匙?」

悠「それはアーティファクト」

神姫「季節的に今から爆発的に増えそうよね。ナメクジ」

悠「家の周りに駆除剤振りまかなきゃ……」

亘理『駆除剤って……塩?』

悠「家の周り塩で囲ったら怖いだろ」

摩耶「恋ちゃんが余計に閉じこもりそう」

悠「盛り塩とかあいつに効くわけがない。だってあいつモドキだもん」

千世子「モドキって…」

亘理『じゃあ、なにまくの?』

悠「スラゴ」

亘理『すらご?』

悠「ナメクジ類に対して特異的に食毒効果を発揮する殺虫剤だ」

サタン「特効薬ってやつなのだ」

悠「あれを振りまくのが一番効果的だ」

神姫「そこまでする?」

悠「用心に用心を重ねる、これ大事ね。」

神姫「なんかイラッとする」

摩耶「悠くんだし」

悠「ははっ、ばんなそかな」

千世子「あんちん、自重とかを覚えた方がいいのだ。」

悠「してるしてる」

千世子「しててそれなのだ?」

悠「しててこれだが!!」

神姫「そういうところがイラッとするのよ」
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