ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「廊下でこんなの拾ったけど誰かのか?」

土偶【……】

亘理『埴輪!』

摩耶「土偶ね」

亘理『え?ハニ?』

摩耶「土偶」

亘理『……んん?』

千世子「なぜか亘理ちゃんが混乱してる」

神姫「土偶と埴輪の違いで?」

悠「っか、誰の?」

神姫「違うわ」

摩耶「違うね」

サタン「っていうか、どう考えても誰かの落とし物ではないのだ。」

悠「つまり……誰かが作って設置してたってことだな」

摩耶「適当にいってるよね」

悠「うん!!」

神姫「土偶で頭打てばいいのに、そしてたんこぶできてふとした時に触って悶えればいいのに」

悠「心に……来るっ!!」

摩耶「感動が?」

悠「なんでですのん」

亘理『土偶、ハニワ、ハウグ…かえするるりれぬふ』

土偶【……】

サタン「は?」

神姫「もしかして、あの土偶見ておかしくなってる?」

悠「マジか。おい、亘理。」
べしっ!
亘理『ハッ!?私はいったい!』

神姫「今、おかしくなってたわよ。」

千世子「大丈夫なのだ?」

亘理『なんか頭がぐわんぐわんしてる…』

摩耶「あれ?土偶は?」

土偶【……】

スキュラ「上です!」

土偶【……】
ビッ!
チュンッ!

悠「あぶねっ!?なんか光線だしてきたぞ!?」

神姫「壊すわよ。弾針剄」
チュドン!
ガシャッン!

悠「おーバラバラ」

千世子「なんなのだ……」

ガチャ……ガチャャャッ!
土偶【……】

悠「直った!?」

土偶【……】
ズズッ

悠「また動くぞ!」

摩耶「発剄」
トッ……ゴワッシャン!

悠「ナイス。サタン、構わんから消し炭にしちまえ」

サタン「サタンオーラ!!」
カッ!!
バシュュッ!

スキュラ「床もろとも消滅しましたね。」

悠「あーあ…」

サタン「わ、我は悪くないのだ!やれっていったのは悠なのだ!」

悠「いったかなぁ?」
土偶【……】

摩耶「あ、後ろ」

悠「え?」

土偶【ロックヲ解除シマス】
ぴきっ、ぱきっ、チャリーン!

悠「……あ、金だ」

千世子「砕けちっちゃったのだ。」

摩耶「わー、五百円がいっぱい」

神姫「なにこれ、倒したからお金落したっていうの?」

悠「ミステリードールかよ」

摩耶「2万円くらいあるね。」

悠「ムカつくからこれで何か買ってくるか。」

亘理『プリン』

サタン「肉と酒」

悠「へいへい、買ってきますよ。」

摩耶「荷物持ち手伝うよ」

千世子「結局なんだったのだ、これ」

メフィスト「スイマセーン。ここらで土偶を見マせんでシたか?」

サタン「それむぎゅっ!」

神姫「土偶……なに置物?」

メフィスト「いいえ、貯金箱なんデース。自己防衛機能があるのデース」

神姫「……そう、見てないわ」

メフィスト「そうデースか…」

千世子「……いいのだ?」

神姫「自業自得よ」
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