ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「春が恋しいぜぇ」

千世子「春は目の前なのだ」

悠「目の前」

亘理『……うふんっ!』

悠「春のような陽気な頭の妖怪なら見える」

神姫「悠もどっこいどっこいでしょ」

悠「へへんっ!」

神姫「……」

『うわん』

悠「あぁん?」

摩耶「なに?」

悠「なんか聞こえなかったか?」

サタン「なんかってなんなのだ?」

悠「いや、なんか」

『うわん、うわん』

悠「うわん、うわんって聞こえなかったか?」

摩耶「そういえば聞こえるね」

千世子「あ、窓の外」

うわん『うわん!』

悠「うぉっ、妖怪だ!妖怪がいるぞ!!」

摩耶「人間のが少ないよ」

悠「確かにEEE!!」

神姫「うるさい」

うわん『うわんっっ!』

亘理『っ……うるさっ』

うわん『うわんっ!うわんっっっ!』

バリンッ!!

サタン「窓が割れたのだ!」

千世子「破片が!!」

神姫「風衝壁」

ガシャーン!
サクッ!
悠「……あれ?」

摩耶「神姫さんありがとう」

千世子「ありがとうなのだ」

神姫「気にしなくていいわ」

悠「あれあれあれぇ?」

うわん『うわんっっ!』

バフッッ!

サタン「ッ、なんなのだ!うるさいし、びりびりするのだ!!」

ベヒモス「叫ぶたびに威力が上がってる感じモス。」

スキュラ「そして明らかに敵意を叫んでいますね。」

神姫「うるさいから早くどうにかして」

悠「任せろ」
ポイッ
うわん『うわっ…………!?』
ズドダッ!

摩耶「あ、落ちた」

千世子「地面でのたうってるのだ。」

神姫「一階に落下したのにタフね。さすが妖怪だわ」

サタン「なにを口に投げ込んだのだ?」

悠「シリカゲル」

サタン「は?」

悠「シリカゲル。要するに乾燥剤だ。口の中の水分吸って口の中大やけどしてるだろうな」

摩耶「なんでそんなのもってたの?」

悠「ドライフラワー作ろうと思って百均で買っといたものだ。」

千世子「ドライフラワーって乾燥剤でつくれるのだ?」

悠「超簡単に作れる。」

サタン「ところで、めっちゃのたうってるアレはどうするのだ?」

悠「妖怪だから死にはしないだろ。」

神姫「次、ちょっかいだして来たら私が許可するからこの世から存在を抹消してやりなさい」

サタン「わかったのだ!」
スキュラ「わかりました」
ベヒモス「ガッテンモス」
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