ー奇談ー學校へ行こう(2)2

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「刺身、食いたいな」

摩耶「人魚の?」

悠「不老不死は別に目指していない」

神姫「人魚の肉に不老不死の効果が本当にあるのかどうかも疑問だけどね。」

悠「一番最悪なパターンは人魚は不老不死だけど肉に不老不死の効果がないパターンだな」

亘理『なんで?』

悠「捕まえられて生きたまま肉剥ぎ取られても効果なくて最後は犬の中に投げ込まれるから」

千世子「屍を越えていきそうなのだ。」

悠「そんなことより刺身食べたいわ」

スキュラ「……」

悠「いや、別にその触手を食わせろとはいってないよ?っか有毒で爪もあるよな。」

スキュラ「ああ、そうではなくて魚ならありますよ」

悠「どこに?」

スキュラ「ここに」
ゴトッ!

千世子「わー、氷の中に魚が詰まってるのだ。」

摩耶「凍った魚じゃ無くて氷の中の魚」

神姫「……でも、動いてない?」

スキュラ「外面は氷で出来てますが中は海水で満たされてます。持ち歩きの出来る氷の水槽といったところでしょうか。」

悠「密閉されてるっぽいが?」

スキュラ「魔力を込めて触れればその部分だけ開きます。なのでいつでも最高鮮度の魚を食べられますよ。」
ズルルッ、びちびち!

悠「おお……でも、刺身ではない」

神姫「自分でさばきなさいってことでしょ」

悠「しゃあないな。ちょっと管理人ちゃんに台所借りてくるか。もう何匹かもらえるか?」

スキュラ「どうぞ」
ズルルッ、びちちちっ!

悠「……やっぱりついて来てくれ。」

スキュラ「わかりました。」

摩耶「じゃあ、待ってるね」

悠「はいはい」

千世子「不思議なアイテムなのだ。」

神姫「どこからツッコんだらいいのかわからないわね。」

摩耶「とりあえず、魚を食べたくなったらスキュラちゃんにお願いすればいいってことだね。」

神姫「なんか違う気がするわ」

亘理『ばー!……あれ?悠ちゃんは?』

千世子「お刺身食べたいって魚もって台所いったのだ」

亘理『え、魚をもって?え?』

摩耶「まぁまぁ、ちよっと待ってたら美味しいお刺身が運ばれてくるよ」

亘理『わーい、やったー!』

神姫「……ところで、さっきのって何の魚だった?」

摩耶「えーと、アジかな?それにしては大きかったようにも見えたけど」

神姫「今すぐ台所いって普通の魚か聞いて来て」

亘理『はーい!』
ズボッ!

千世子「便利なのだ。」
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